「夢を生きている」マイナーでの11年を経て、カージナルスのトーレスが本塁打含む3出塁デビュー

6:59 AM UTC

カージナルス8−1レッズ】シンシンティ/グレートアメリカンボールパーク、5月23日(日本時間24日)

プロキャリア7年目で、ブライアン・トーレス(28)が引退の潮時かどうかを考えていた時期があった。

プエルトリコ出身のトーレスは、ブルワーズ傘下のルーキーリーグで5シーズン苦労を重ね、新型コロナウイルスのパンデミックによる1年間の空白を経て、ジャイアンツ傘下2Aでの唯一のシーズンでOPS.668を記録するにとどまった。

しかし、独立リーグでの2年間とマイナーリーグでのさらに3シーズンを経て、カージナルスでメジャーデビューを果たし、28歳の夢は現実のものとなった。ダブルヘッダー第1試合で本塁打を放ち、3度出塁するなど見事に結果を出した。

感動的な日は続き、トーレスは延長11回の末に6−7で敗れた第2試合でも再び左翼を守った。単打と四球でさらに2度出塁した。

トーレスのメジャーへの道のりは長く、厳しいものだった。しかし、自身のキャリアを好転させたのは家族と、傘下の球団から離れていた時期のおかげだと感謝している。

「あの時、自分にチャンスを与えようと言い聞かせた」とトーレスは語った。「でも、できることはすべて、100%の力でやるつもりだった。そして100%ではなく、200%の力を出した。それが今ここにいる理由だ。その瞬間から、自分の人生やキャリアにおいて大きなことが起こると本当に確信していたと断言できる」と振り返った。

「独立リーグでの2年目を迎える時、兄から『おい、去年と同じことをしようとするなよ』と言われたことがあった。それに対して『同じことはしない。もっと良くする』と伝えた。それが自分の言葉だった。そのことは決して忘れない」

アメリカン・アソシエーション(独立リーグ)のミルウォーキー・ミルクメンに在籍していた期間、トーレスは非常に自制心のある打者、そして出塁マシーンとしての地位を確立した。184試合で打率.372、出塁率.450、長打率.514を記録し、三振(100)よりも多い四球(104)を選んだ実績が、カージナルスの目に留まった。

セントルイス・カージナルスと契約後もトーレスの活躍は続き、2Aスプリングフィールドと3Aメンフィスでは過去3年間で通算打率.331、出塁率.432、長打率.442を記録し、三振(157)よりも多い四球(168)を選んでいる。忍耐強さは際立っており、過去2シーズンのメンフィスでのスイング率37.6%は下位5%に、ストライクゾーン内のスイング率57.7%は下位6%に位置している。

ラーズ・ヌートバー(28)、ラモン・ウリアス(31)、そして最近ではネイサン・チャーチ(25)の負傷により、マイナー、海外リーグ、独立リーグでの913試合に加え、プエルトリコ代表として出場し、6打数2安打、3四球、1二塁打を記録した2026年のワールドベースボールクラシック(WBC)出場を経て、外野と二塁を守るトーレスにようやく声がかかった。

案の定、トーレスは最初の打席で四球を選び出塁。この日見た10球目(メジャーでの初スイング)で単打を放ち、その自制心のあるアプローチを見せつけた。七回にもう少しで安打を追加するところだったが、ウォーニングゾーンでのブレイク・ダン(27)のジャンピングキャッチに長打を阻まれた。

しかし、デビュー戦の最後を飾ったのは、九回に右腕ホセ・フランコ(25)から放ったレーザーのような本塁打だった。推定飛距離337フィート(102.7メートル)、打球速度99.8マイル(約160.6キロ)の一撃だった。28歳325日で、デビュー戦において3度以上出塁し、本塁打を放った選手としては、2023年8月9日のフィリーズのウェストン・ウィルソン(31)以来、最年長となった。

「長年学んできたことの一つは…プレッシャーをうまく管理することだ」とトーレスは語った。「心臓の鼓動が少し速くなっている時は、ただ落ち着かせればいい。今日は嘘をつくつもりはないが、胸の奥で少し高鳴りを感じた。でも同時に、深呼吸をして『自分のやるべきことをやれ』と言い聞かせた。自分のやるべきことは、良い打席を送り、出塁すること。それを実行しただけだ」と振り返った。

トーレスの家族5人が飛行機で駆けつけ、試合中ずっと祝っていた一方で、テレビで観戦していた残りの家族からは、メールや電話がひっきりなしに鳴り響いていた。トーレスは、自身の粘り強さを常に信じてくれていた母親のために本塁打のボールを確保することができた。勝利、そして敵地でのカーテンコールも相まって、非常に記憶に残るデビュー戦となった。

「本当に素晴らしいことだ。1年を通じて、一歩引いてただ楽しむことができる瞬間がある。これもその1つだ」とカージナルスのオリバー・マーモル監督(39)はトーレスのデビューを語った。

「24年前に見た夢を生きている。そして今日、それが現実になっている」とトーレスはメジャーリーガーになっ実感をかみしめた。