3Aから急遽昇格、トレーシー暫定監督の特徴は?

April 26th, 2026

突然の監督交代とコーチ陣の刷新という混乱に、チャド・トレーシーが落ち着きをもたらした。

レッドソックスは、早くもアレックス・コーラに代わる暫定監督として最適な人物を見つけたのかもしれない。コーラはオーナーのジョン・ヘンリー、社長兼CEOのサム・ケネディ、編成本部長のクレイグ・ブレスローとの25日夜(日本時間26日)の会談をもって、1161試合に及ぶ指揮官としての任期を終えた。

コーラと6人のコーチがチームを離れる準備をしている一方で、トレーシーは2022年から指揮を執ってきた3Aのウースターから南下し、ボルチモアへ向かっていた。

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4年以上の3Aでの指揮を通して、トレーシーはロマン・アンソニー、マルセロ・メイヤー、ウィリヤー・アブレイユ、セダン・ラファエラ、ジャレン・デュランといった若手を指導してきた。またマイナーでのリハビリ期間中にはトレバー・ストーリーやギャレット・ウィットロックとも関わり、過去5年間はメジャーのスプリングトレーニングにも継続的に参加してきた。

「チャドは長く組織にいる人物だ。マイナーの最高レベルで監督を務めてきたし、若手を中心に今のロースターの多くの選手と関係を築いている。彼はそのグループから最大限の力を引き出す能力を示してきた」とブレスローは語った。

完璧とは言えない状況の中で、トレーシーは最適な選択肢だった。

「こういう時に知っている人が入ってくるのは大きいし、トレースは本当に優れた指導者だ」とアンソニーは語った。

「3Aで彼と一緒にプレーした選手がみんな彼を慕っているのには理由がある。自分たちのために全力を尽くしてくれると分かっているし、こういう厳しい状況でも支えてくれる存在だ。予想外の出来事だったけど、今は受け入れて乗り越えるしかないし、トレースならきっとうまくやってくれる」

では、トレーシーは2026年シーズン終了まで指揮するのだろうか。

「チャドがこの移行期を任せるにふさわしい人物だと考えているし、そのために全力でサポートしていく。その先がどうなるかは、これから見ていくことになる」とブレスローは語った。

トレーシーはまだ40歳で若いチームとの距離が近い上に、元メジャー監督の息子として長年培ってきた野球の知見も兼ね備えている。

チャド・トレーシーの父親、ジム・トレーシーはメジャーで11シーズン監督を務め、2001年にドジャースで監督デビュー(当時コーラは選手として在籍)し、その後パイレーツ(2006〜07年)、ロッキーズ(2009〜12年)でも指揮を執った。実際、26日(日本27日)にはジムがオリオールパークに足を運び、息子のメジャー初采配を見届けた。チャドはベンチコーチを探しているが、それを父が務めることはないと冗談交じりに語った。

「これまでずっと父に頼ってきたし、母にも支えられてきた。母は精神的な支えだし、父とは自分が13歳の頃から、彼が監督をしていた時代からずっと試合のことや状況について話してきた。試合後に野球の話をするのは当たり前だったし、それはこれからも変わらないと思う。必要な時はいつでも支えてくれる」

25日はトレーシーにとって激動の一日だった。3Aでの試合中にベンチから呼び出され、自身の状況が一変することを知らされた。その後すぐに荷物をまとめ、飛行機に乗り、ボストンに向かった。

ただ、チームに話しかけた瞬間、トレーシーの緊張は消えた。

「選手に話すことはむしろ大変じゃなかった。すでに彼らのことをよく知っているからね。正直に言うと、バスで球場に向かう前に一人ひとりの顔を見るたびに、どんどん落ち着いていった」とトレーシーは語った。

「ウィット(ウィットロック)やトレブ(ストーリー)、チームのリーダーたちといい会話ができた。そのたびに気持ちが落ち着いていった。今は少しずつ落ち着いてきている」

では、トレーシーの監督としてのスタイルはどのようなものか。

「自分にとっては、チームにどんな選手がいるかがすべてだ。自分のスタイルに選手が合っていなければ、それは意味がない。どんな戦力があって、何ができるのか。大事なのはチームに合わせることだ」とトレーシーは語る。

「うちはアスリートタイプが多くて、スピードもある。だから出塁して、積極的に動いていく必要がある。昨年うまくいっていたのもそういう戦い方だった。ラファエラやジャレン、ロマンといった選手が出塁して、相手にプレッシャーをかける。結局は、手持ちの戦力をどう最大限に活かして勝つか、それに尽きると思う」