栗山英樹氏 2023年大会の大谷翔平とダルビッシュ有の存在感を語る

6:32 AM UTC

3-2で1点リードの九回、日本のマウンドに上がったのは大谷翔平だった。先頭打者ジェフ・マクニールには四球で無死の走者を出したが、続くムーキー・ベッツを97.6マイル(約157キロ)の速球で二ゴロに仕留め、併殺でピンチを切り抜ける。

二死で迎えたのはマイク・トラウトとの勝負。

初球のスイーパーはわずかに外れるが、2球目は100マイル(約161キロ)の速球でトラウトは強振。さらに100マイル前後(約161キロ)の速球でフルカウントまで持ち込み、最後は外角のスイーパーで空振り三振に仕留めた。

この瞬間、日本は3度目のワールドベースボールクラシック優勝を果たした。

決勝戦で日本は7人の投手で継投策を敷いたが、チームを指揮した栗山英樹氏は八回にダルビッシュ有、九回に大谷翔平という、メジャーを代表する投手陣を据えた。

栗山氏は当時の状況を振り返る。

「やっぱり最後は誰が責任取るかみたいな空気になるんですよ。(それでも)いいから思いっきりやってくれって言っても、やられたら責任を取らなきゃいけない。その一人ひとりの痛みみたいのはすごく感じるんでね。そういう意味では、やっぱりあの2人がいたっていうのはすごく大きかった」

ダルビッシュ、大谷が打たれたなら仕方がない、という覚悟を持ちつつ、二人の存在があったからこそ、指揮官は思い切った継投が可能になった。

そして、大谷の存在が采配にいかに柔軟性を持たせてくれたか続ける。

「今、ジャパンも少しケガ人が出ている。もちろん大会中も相当な幅で(ケガなど)想定内に考えていきますけど、それを超える想定外が起こるのが野球の戦い。特に勝つ時っていうのはそういうのが起こる。そうなった時に打って投げて走れる、何でもできるっていう選手が1人いるっていうのは、監督としてはやっぱりすごく大きかったな思いますね」

今大会も大谷翔平の二刀流への期待は高かったが、本人は打者専念を明言している。

「逆に言えば、打つだけでも十分チームに貢献できる選手です。そこに集中して、大爆発してくれることを信じています」

さらに栗山監督は、チームを支える存在としてダルビッシュの存在も大きいと語る。ダルビッシュは今回、右肘リハビリ中のため代表選出はされなかったが、侍ジャパンのアドバイザーとしてすでにチームに合流し、多岐にわたるアドバイスを送っている。

「ダルがキャンプに行ってくれているし、翔平は打者で(チームに)で入るわけですから、そういったものも(チームの)背中を押してくれると思う」と栗山氏は断言する。

役割が限定されても、ダルビッシュや大谷の影響力は揺るがない。チームにとって絶対的な存在であると、栗山氏は太鼓判を押した。