史上初のHRダービー決戦はシュワーバーの3連発でナ・リーグ勝利

3連発のシュワーバーがMVP

July 16th, 2025

フィリーズの主砲カイル・シュワーバーが、ホームランダービーで3スイングという限られたチャンスの中で勝負強さを発揮し、ナ・リーグを勝利に導いた

「本当にこれに値する選手はたくさんいるけど、いい結果でフィラデルフィアに戻れるのはうれしい」と試合後、TVインタビューで喜びを語った。

3スイングという特別ルールの中、一本目を放った後は「感覚が研ぎ澄まされた」と振り返り、「ホームランを打とうとしないようにしていた。ただコンパクトに振ることだけを意識してた。狙いすぎたら(力んで)チームメイトに当てちゃうかもしれないからね」と話した。

九回終わって同点の場合は、ホームランダービーで勝利を決めるという労使協定で導入されたルールが初めて適用された。史上初のスイングオフ(ホームランダービー)は、4本の柵越えを放ったナ・リーグが勝利した。

両監督が3選手を指名し、まずア・リーグのルーカーが2本、一方、ナ・リーグのストワーズが1本でア・リーグがリード。続く2人目のアロザレーナが1本でア・リーグが3-1とリードを広げたが、シュワーバーが3スイング中3本の柵越えを成功させて一気に逆転。ア・リーグ3人目のアランダが0本に終わるとナ・リーグの勝利が決まった。

アトランタの夜空に美しい放物線を描いた打球が次々とスタンドに吸い込まれると、ナ・リーグの選手たちはベンチ前で飛び跳ね、シュワーバーをもみくちゃにした。

「みんなが本気で応援してくれた。最後のスイングが入ったときは全員が大盛り上がりで、本当に楽しかった」

打撃投手を務めたドジャースのディノ・イーベルコーチとはワールドベースボールクラシックでも一緒に戦った旧知の相手で、「急にマウンドに上がらなきゃいけなかったから、厳しい役回りだったと思う。試合前に打撃練習で投げてもらう機会はなかったけれど、以前、一緒に戦ったので、何球か見て互いにハマった感じだった」とイーベルコーチを称えた。

レギュラーシーズン中は、ライバルのブレーブス戦では大きなブーイングを受ける。この日も選手紹介の際にはブーイングを浴びせられたが、ホームランダービーではアトランタのファンも大興奮でシュワーバーに歓声を送った。

「エキサイティングで楽しかった。選手もファンも楽しい大会だったと思う」とMVPは締め括った。