気づけばまた一つのレギュラーシーズンが幕を閉じ、2日後にはポストシーズンが開幕する。最高の戦いを楽しむ前に、各主要部門をリードした選手たちを振り返っておこう。
打撃部門
本塁打
ア・リーグ/MLB:カル・ローリー(マリナーズ・60本)
歴史的なシーズンだった。捕手、スイッチヒッター、そしてマリナーズのシーズン本塁打記録のすべてを更新。マリナーズが2001年以来となるア・リーグ西地区優勝を決めた夜に59号と60号を放ち、史上7人目のシーズン60本塁打達成者になった。
ナ・リーグ:カイル・シュワーバー(フィリーズ・56本)
これまで、シュワーバーは30本塁打以上のシーズンが6度あり、2022年は46本、2023年は47本を放った。だが2025年はそれを悠々と上回り、56本塁打を放ち、チームのナ・リーグ東地区制覇を支えた。極め付けは8月28日のブレーブス戦で、1試合4本塁打を記録した。
打率
ア・リーグ/MLB:アーロン・ジャッジ(ヤンキース・.331)
ジャッジはこの世代を代表するパワーヒッターだが、その打撃技術の高さを見落としてはならない。2024〜25年にかけてメジャー全体で打率.326とトップに立ち、2025年は打率.331で自身初の首位打者を獲得した。ヤンキースのスターにまた一つ栄冠が加わった。
ナ・リーグ:トレイ・ターナー(フィリーズ・.304)
終盤の好調で2度目の首位打者を獲得した。8月14日以降の100打数で42安打を重ねると、9月7日に右太もも裏を痛めてレギュラーシーズン最終日まで離脱した。2021年のナ・リーグ首位打者であるターナーは、2020年以降の通算打率が.300であり、アーロン・ジャッジ、フレディ・フリーマン、ルイス・アラエスとともに過去6シーズンで規定打席(通算1000打数以上)を満たし3割以上を維持した4人のうちの1人だ。
打点
ア・リーグ:カル・ローリー(マリナーズ・125打点)
「ビッグ・ダンパー」(ローリーのニックネーム、大きなお尻、という意味)が本塁打との2冠を達成。125打点は、1920年に公式記録となって以降、捕手(試合の50%以上を捕手で出場)によるシーズン6位タイの記録で、これだけの打点を挙げたのは1974年のジョニー・ベンチまでさかのぼる。
ナ・リーグ/MLB:カイル・シュワーバー(フィリーズ・132打点)
こちらも本塁打との2冠に輝いた。2008年にライアン・ハワード(146打点)以来、フィリーズの選手として初めて打点でMLB単独首位としての受賞。132打点は1920年以降のフィリーズ史上9位の記録でもある。
盗塁
ア・リーグ/MLB:ホセ・カバイェロ(ヤンキース・49盗塁)
2024年に44盗塁でア・リーグ最多だったカバイェロは、2025年は49盗塁を記録してア・リーグのみならずMLB全体のトップとなった。トレード期限前にヤンキースへ移籍するまでにレイズで34盗塁、移籍後のニューヨークでは37試合で15盗塁、OPS.866と新天地でも輝きを放った。
ナ・リーグ:オニール・クルーズ(パイレーツ・38盗塁)、フアン・ソト(メッツ・38盗塁)
今年最大のサプライズとも言えるのが、ソトの盗塁王だ。これまでの自己最多はわずか12盗塁で、直近4年を合計しても34盗塁に過ぎなかった。しかし、今季だけでそれを上回り、30本塁打-30盗塁を達成。盗塁失敗はわずか4度のみと高い成功率を誇った。また、クルーズも自己最多の22盗塁を大きく更新し、2選手がナ・リーグの盗塁王になった。
スタットキャスト・バレル
※バレル:理想的な打球速度と打ち出し角度で、ヒットや長打になりやすい打球。打球速度98マイル(約158キロ)以上の打球が該当する。打球速度が1マイル上がるごとに、該当する打球角度も2〜3度広がる。
例:速度98マイルの場合は、角度26〜30度。速度99マイルの場合は、角度25〜31度。
ア・リーグ:アーロン・ジャッジ(ヤンキース・96)
スタットキャスト時代(2015年以降)で、シーズン90バレル超えを達成した右打者はアーロン・ジャッジただ1人で、これで3度目となる。ただし今季の96は、規定到達シーズンとしては2021年以降で最少であり、2023年と2024年は100を超えていた。
ナ・リーグ/MLB:大谷翔平(ドジャース・100)
昨季わずかに及ばなかったジャッジ(105対103)を今季は上回った。二刀流のスターは55本塁打を放ち、昨年自らが達成した球団記録を更新。ハードヒット率58.4%はカイル・シュワーバー(59.6%)に次ぐMLB2位で、100バレルはスタットキャスト導入後(2015年以降)、歴代4位である。
投手部門
勝利数
ア・リーグ/MLB:マックス・フリード(ヤンキース・19勝)
加入1年目からエースとして活躍した。防御率2.86、195回1/3を投げ、自己最多の19勝(5敗)をマーク。ヤンキースの投手で19勝以上を挙げたのは2018年のルイス・セベリーノ以来となる。なお、最後に20勝超えを果たしたのは、今年殿堂入りしたCCサバシア(2010年)だ。
ナ・リーグ:フレディ・ペラルタ(ブルワーズ・17勝)
ブルワーズのエースが自己最高のシーズンを過ごした。防御率2.70を記録し、3年連続で200奪三振を突破。後半戦に30回連続無失点を達成し、7〜8月は11先発で8勝を挙げた。
防御率
ア・リーグ:タリク・スクーバル(タイガース・2.21)
2024年に投手三冠とサイ・ヤング賞を受賞したスクーバルは、今季も素晴らしいシーズンを過ごした。防御率2.21はタイガース投手としては1968年デニー・マクレイン(1.96)以来の低さ。ア・リーグ防御率1位を2年連続で獲得したのは1945〜46年のハル・ニューハウザー以来だ。
ナ・リーグ/MLB:ポール・スキーンズ(パイレーツ・1.97)
シーズン最終登板で6回無失点と好投したスキーンズは、2022年のジャスティン・バーランダー以来となる防御率2点未満。2024年ナ・リーグ新人王が、初のサイ・ヤング賞に大きく近づいた。
奪三振
ア・リーグ/MLB:ギャレット・クローシェ(レッドソックス・255三振)
昨年12月にホワイトソックスからレッドソックスに加入し、2年連続で200三振超えを達成。リーグ最多の投球回を投げ、9イニング平均11.2三振はア・リーグでトップ、MLB全体でもパドレスのディラン・シース(11.5)に次ぐ2位となった。
ナ・リーグ:ローガン・ウェブ(ジャイアンツ。224三振)
打たせてとるタイプのウェブだが、今季は7年のキャリアで初めて200奪三振を突破。ナ・リーグで3年連続投球回数トップを記録し、2023年以降の通算590三振はMLB全体で4位となっている。
セーブ
ア・リーグ/MLB:カルロス・エステベス(ロイヤルズ・42セーブ)
ロイヤルズ加入1年目から42セーブを挙げ、オールスターに選ばれた。2023年のエンゼルスでの31セーブを大きく上回った。2年連続で防御率2.50未満を記録し、ロッキーズで6年間通算25セーブにとどまっていたが、直近3年間では平均30以上のセーブを積み重ねている。
ナ・リーグ:ロベルト・スアレス(パドレス・40セーブ)
ジョシュ・ヘイダーが2024年にFAで去って以来、スアレスはパドレスの守護神として存在感を発揮している。2024年は36セーブ、防御率2.77、そして2025年は45登板中40セーブ、防御率2.97を記録。速球派右腕として自慢のサンディエゴ救援陣の要となった。