2026年開幕戦の名場面 有望株がいきなり躍動

March 27th, 2026

開幕戦は決して期待を裏切らない。オフシーズンの間、この日のような日を待ち望んでいたのだから。満員の球場、勝負どころでのヒット、そして“エグい”投球の数々。

試合を見逃した方、あるいはあの興奮をもう一度味わいたい方のために、開幕戦のハイライトシーンをいくつか振り返ってみよう。

1. 超有望株がデビュー戦で輝く

開幕戦のロースターにこれほど多くの有望株が名を連ねたことはかつてなかった。MLBパイプラインの有望株トップ100にランクインした選手のうち20人がMLBで開幕を迎えた。これは、MLBパイプラインが2012年に初めてトップ100リストを発表して以来最多だ。そして、これらの若手選手たちの実力は申し分ないと言えるだろう。

メッツの外野手カーソン・ベンジ(球界16位有望株)は、メジャーリーグデビュー戦で3度出塁し、キャリア初安打となるソロ本塁打を放ち、シティフィールドで初のカーテンコールを受けた。ベンジは、メジャーリーグデビュー戦となる開幕戦で本塁打を放ったメッツ史上2人目の選手となった(2004年の松井稼頭央以来)。

この日、本塁打を放ったのはベンジだけではなかった。カージナルスの内野手JJ・ウェザーホルト(球界5位)は、2打席目でカウント0ボール2ストライクからの直球をセンターに運び、スタットキャストの予測飛距離は425フィート(129メートル)だった。ウェザーホルトは1番打者として十分な落ち着きを見せ、チームの猛攻となった六回の反撃で重要な役割を果たした(詳細は後述)。

ベンジとウェザーホルトも印象的だったが、タイガースの内野手ケビン・マゴニグル(球界2位)が真の主役の座を奪った。マゴニグルは初打席でその実力を発揮し、初球を捉えてライトへ2点タイムリー二塁打を放った。パドレスはマゴニグルの勢いを止めることができなかった。マゴニグルは4安打し、1900年以降、メジャーリーグデビュー戦で4安打を記録したタイガースの選手としては、ビリー・ビーン(1987年)に次いで2人目となった。

マゴニグルと同様に、ジャスティン・クロフォード(球界53位)もメジャー初打席の初球を初安打にした。4度のMLBオールスター選出経験を持つカール・クロフォードの息子であるジャスティンは、五回にもヒットを放ち、フィリーズの3得点のきっかけを作った。

そして、ガーディアンズの外野手チェイス・デロウター(球界46位)は、マリナーズ戦でレギュラーシーズンのデビュー戦を飾った。デロウターは初回に先制弾を放つと、九回にもリードを2点に広げる貴重な追加点を生むソロを放ち、5打数3安打3得点2本塁打の大暴れだった。

2.新生メッツがスキーンズを捉える

この日のカードで屈指の投手戦と思われていたパイレーツ対メッツ、ポール・スキーンズ対フレディ・ペラルタの対決は、驚くほどあっという間に均衡が崩れた。パイレーツは初回にブランドン・ラウの2ランで先制したものの、メッツも初回に5点を奪って反撃。ブレット・ベイティとマーカス・セミエンのタイムリーは、両方ともセンターのオニール・クルーズの守備のミスによって生まれた。

スキーンズは2死しか奪えず、37球で降板、1イニングを投げ切ることができなかった。昨季は最後の6登板で計5失点しか許さなかったサイ・ヤング賞右腕にとって、これは衝撃の展開だった。これはスキーンズにとってのキャリア最短登板であるだけではなく、前年のサイ・ヤング賞投手が翌年のシーズン初登板で記録した最短の登板でもある(記録会社エライアス・スポーツより)。

3.“ミズ”が圧倒

ブルワーズは開幕戦でジェイコブ・ミジオロウスキーを先発に起用し、エースのブランドン・ウッドラフは慎重を期してローテーションの最後尾に配置した。23歳357日のミジオロウスキーは、ブルワーズ球団史上3番目に若い開幕投手となった。

ホワイトソックスの二塁手チェイス・マイドロスに先頭打者弾を浴び、波乱含みのスタートとなった。しかし、身長2メートルを超える右腕はそこから落ち着きを取り戻し、昨季メジャーリーグでわずか5試合の先発登板でナ・リーグのオールスターに選出された剛腕らしい投球を見せた。

ミジオロウスキーは5イニングを1失点に抑え、11個の三振を奪った。これは自身の1試合最多奪三振記録にあと1つ及ばなかったものの、11三振はブルワーズの開幕戦における球団新記録となった。この記録は2002年にベン・シーツが保持しており、2024年と2025年にフレディ・ペラルタに並ばれていた。

4.サイ・ヤング賞ファイナリストが躍動

スキーンズとは対照的に、球界のエースたちが輝きを放った。タリック・スクーバルはパドレス戦で6回を無失点、6三振で終え、3年連続のア・リーグのサイ・ヤング賞獲得へ挑戦を開始した。

スクーバルの圧倒的な投球は、初のサイ・ヤング賞を目指すギャレット・クローシェにとって厳しい戦いを意味する。しかし、クローシェはレッズ戦で6回無失点、8三振と好投した。クローシェはさらに最高の投球を最後に取っておき、スペンサー・スティアーをフルカウントからのカットボールで空振り三振に抑え、満塁のピンチを切り抜けた。

負けじと、2025年のア・リーグサイ・ヤング賞投票で3位に入ったハンター・ブラウンは、エンゼルス戦で4回2/3を無失点、9三振の好投でシーズンをスタートさせた。

ナ・リーグでは、クリストファー・サンチェスが初の開幕戦先発で素晴らしい投球を見せた。2025年のナ・リーグのサイ・ヤング賞投票でスキーンズに次ぐ2位となったこの左腕は、6回無失点、10三振、無四球の好投を披露した。開幕戦で6回以上無失点、10三振以上、無四球を達成した投手は、史上6人目だ(昨年はナショナルズのマッケンジー・ゴアが達成)。

5.ドジャースが優勝旗を掲げ、第7戦のヒーローが本塁打を放って勝利

ワールドシリーズ連覇中のドジャースが3連覇を目指す旅を、試合前の華やかなセレモニーでスタートさせた。2025年ワールドシリーズ優勝のパネルのお披露目や、俳優のウィル・フェレルがフレディ・フリーマンとミゲル・ロハスを乗せてウォーニングトラックを1周し、それぞれがワールドシリーズ優勝トロフィーを掲げるという演出などが行われた。

そして、ドジャースは試合に臨んだ。2−0とリードを許したドジャースは、ダイヤモンドバックス相手に8得点。

そのうち6点は、昨年のワールドシリーズ第7戦のヒーロー2人によるものだった。九回に試合を救うファインプレーを見せたアンディ・パヘスは、五回にダイヤモンドバックスの先発ザック・ギャレンから3ランを放ち、ドジャースを2連覇へと導く勝ち越しホームランを放ったウィル・スミスは、7回に2ランを放った。スミスは5回にもタイムリーヒットを放った。

ワールドシリーズMVPの山本は先発し、6回を投げ、5安打2失点、無四球、6三振の好投を見せた。

6.“シュワーボム”が復活

カイル・シュワーバーは、今年最初のシュワーボムをすぐに披露してくれた。フィリーズと5年契約で再契約して、シーズン最初の打席で本塁打を放った。それが得意技だからだ。リーグ最多の56本塁打を放った昨季の勢いそのままに、シュワーバーはレンジャーズの右腕ネイサン・イオバルディから今シーズン最初のアーチを放った。1ボール2ストライクからのカーブを左翼フェンス越えに叩き込んだ。シュワーバーが開幕戦でホームランを打つのは2年連続となる。

7.センターを守るマイク・トラウトによる往年の活躍

度重なるケガに悩まされてきたトラウトに、真にエリート級のシーズンがもう一度残されているのだろうか? 期待の持てる春季キャンプの後、3度のMVP受賞者であるトラウトは開幕戦で往年の輝きを取り戻した。34歳の外野手は七回に両軍無得点の均衡を破る見事な本塁打を放ち、ダイキンパークのレフトスタンドの向こう側の線路まで飛ばした。これはトラウトにとって通算5度目の開幕戦での本塁打だった。トラウトは盗塁も決め、4度出塁した。これは過去2年間でわずか2回しか達成していないことだ。また、2024年以来初めてセンターで先発出場し、今季はレギュラーとして出場することが期待されている。

8.セントルイスで大波乱のイニング

野球はいつも奇妙なものだが、この日のレイズ対カージナルスの試合の六回は、その奇妙さを全く別のレベルにまで高めた。タンパベイは六回に6点を奪い、1−1の同点から試合の主導権を握ったかに見えた。

しかし、カージナルスも簡単には負けなかった。六回、カージナルスは先頭から7人の打者が、2人の異なるレイズの投手から出塁。2本の犠牲フライで再び同点になった後、アレック・バーレソンがグリフィン・ジャックスの直球を打ち返し、勝ち越しの2ランを放った。六回の8得点に助けられ、最終的にカージナルスが9−7で勝利した。記録会社のエライアス・スポーツによると、開幕戦で両チームが1イニングに6点以上を取ったのは、これが2度目だという。ボストン・ビーンイーターズとブルックリン・ブライドグルームズは、1890年4月19日にそれを達成している。

9.メッツが初めてABSチャレンジに成功

レギュラーシーズン初のABSチャレンジは開幕戦でヤンキースの遊撃手ホセ・カバイェロによって行われた。しかし、カバイェロのチャレンジは失敗に終わり、レギュラーシーズン初のABSチャレンジ成功までさらに一日待たなければならなかった。それはこの日最初の試合で起こった。メッツの捕手フランシスコ・アルバレスがフルカウントからの投球に対してチャレンジを申し立てた。球審のエイドリアン・ジョンソンは当初ボールと判定していた。案の定、フレディ・ペラルタの投球は確かにストライクゾーンに入っており、判定が覆り、結果として三振となった。次の打者ブランドン・ラウはホームランを放った。