ジャッジ3打点、菅野を攻略し地区優勝へ一歩も譲らず

先発シュリットラーは自己最多の9三振、最終戦で地区優勝が決まる

September 27th, 2025

ヤンキース6-1オリオールズ】ニューヨーク/ヤンキースタジアム、9月27日(日本時間28日)

ヤンキース打線がまたしても菅野智之を苦しめた。

2025シーズン最後の登板に望んだ菅野は、4回1/3、73球を投げ3本塁打を含む5安打、3三振、4失点で降板。対ヤンキースの先発は4試合で6本塁打を許しており、うち5本はアーロン・ジャッジジャンカルロ・スタントンに喫している。

ヤンキースはこの勝利で7連勝。同日の試合にブルージェイズも勝利したため、ともに93勝と並んだ状態であすの最終戦に臨む。ブルージェイズがタイブレーカー(レギュラーシーズン終了時点で勝敗が並んだ場合、直接対決で勝ち越したチームを上位とするルール)を保持しているため、ア・リーグ東地区優勝のためには、ヤンキースは勝利し、ブルージェイズが敗れる必要がある。

当然ヤンキースは優勝を諦めておらず、その熱意はこの日の試合でも伝わった。五回、1死満塁でジャッジが見送った際どい内角への投球にアーロン・ブーン監督は猛抗議。今季MLB最多となる7度目の退席処分を受け、ガムを投げ捨ててダイヤモンドを去った。

主将は指揮官の熱量にバットで応え、2点タイムリー。初回に菅野から53号ソロを放っていたジャッジはこれで3打点とチームの勝利に大きく貢献し、MVPレースで大きなアピールを果たした。

「野球はたった1球で流れが変わるし、だからこそ3ストライクあるんだ。判定に左右されず、集中してその1球を仕留めればいい」とジャッジは語った。

スタントンも二回にキャリア通算453本目となる本塁打を放ち、カール・ヤストレムスキー(452本)を抜いて歴代40位に浮上。2試合続けてジャッジとスタントンが揃って本塁打をマーク。ポストシーズンを含めてこれで通算59度目となった。

五回には、30本塁打-30盗塁を達成したジャズ・チザムJr.が死球を左前腕に受けて途中交代となったが、X線検査の結果、異常は見られず、その後のCT検査も問題はなかったとチームが発表した。

ジャッジは4打数2安打で打率.331に上げ、アスレチックスのジェイコブ・ウィルソン(.313)を大きく引き離した。自身初の首位打者獲得が確定的。身長201センチのジャッジは史上最も背の高い首位打者となる見込みで、シーズン50本塁打以上を放ちながら打率トップに立つ史上3人目の選手にもなる(1956年のミッキー・マントルと1938年のジミー・フォックス)。

投げては先発のキャム・シュリットラーが7回、2安打、1四球の好投。自己最多の9三振を奪い存在感を示した。これで今季は73イニングで防御率2.96。ヤンキースは2枚看板のマックス・フリードとカルロス・ロドンがポストシーズンの1、2戦目に投げることはほぼ確定しているが、3戦目の先発はまだ決まっていない。ブーン監督はシュリトラー、ルイス・ヒル、ウィル・ウォーレンの中から選ぶとしている。

「162試合を戦って、最後の日にすべてが決まるなんてクレイジーだ。でもそれこそがこのスポーツの美しさだね」とブーン監督は最終戦への意気込みを語った。