ジャッジ、グランドスラムを含む1試合3本塁打、8打点の活躍

MVPトリオの3者連続本塁打は史上2チーム目

March 30th, 2025

ブロンクスの空に9つの大きなアーチが描かれた。

記録尽くしの試合でひときわ輝いたのは、主砲のキャプテンのアーロン・ジャッジで、6打数4安打(本塁打3)8打点と主砲として大きな存在感を見せた。まずは初回、ブリュワーズのマウンドには昨年までチームメイトだった左腕ネスター・コルテスが上がった。

初回、先頭打者のゴールドシュミットが初球を左翼に、続く左打者のベリンジャーが初球を右翼席に運ぶと、スタジアムは熱狂に包まれた。

「ブリーチャークリーチャーズ(ヤンキース右翼席の熱狂的なファンの愛称)たちが飛び上がって喜ぶ姿を見て気持ちが高ぶったので、打席に入る前に『落ち着こう』と呼吸を整えた」とジャッジは試合を振り返る。

興奮が収まらない状況で打席に入ったジャッジはまたもやコルテスの初球、内角真ん中のカットボールをフルスイング。打球が左翼席へ吸い込まれるとスタジアムのボルテージは最高潮に達した。

「ゴールドシュミットの先制点で流れをつかんだ。ネスターはストライクゾーンを積極的に攻めるいい投手なので、いい球をしっかり打とうと思っていた」

初回に3者連続本塁打はヤンキース史上初のほか、3者とも初球を本塁打にしたのは1983年にメジャーリーグが投球カウントを数え始めから初と記録尽くしになった。

加えてゴールドシュミット、ベリンジャー、ジャッジはそれぞれMVPの受賞経験を持つ。MVP選手がラインナップに名を連ねるのも稀だが、MVPトリオによる3者連続本塁打は昨年8月31日にドジャース(大谷、ベッツ、フリーマン)に続きメジャー史上2チーム目となった。

さらにジャッジは3回、無死満塁の場面でブリュワーズ2番手左腕の内角高めのカットボールを左翼席に叩き込むと、スタジアムは再び大きく沸いた。大観衆からカーテンコールが起きると、ジャッジは照れくさそうな表情でダグアウトから姿を現し、軽く手を挙げて応じた。

圧巻だったのは4回、二死2塁の場面で、左腕トーマスの低めチェンジアップを力みのないフォームでスイングすると、打球は美しい放物線を描いてバックスクリーンに吸い込まれた。これに歓声とともに呆れたような表情を見せるファンも。

6回の第4打席は3番手右腕ペゲーロの内角真ん中の95.5マイル(153.7キロ)シンカーを右翼へ。あわや本塁打かと思われた当たりは、右翼フェンスにぶつかり、2塁打に。2塁にいたベリンジャーが18点目のホームを踏んだ。

ジャッジは試合後、Yes Networkで「タイミングをしっかり合わせることだけに意識した。前の打者が仕事をして出塁してくれたので、自分は楽に打席に入れたよ。今日はファンの声援がチームを後押ししてくれた。今年こそスペシャルなシーズンになるように頑張るよ」と答えた。

昨季はワールドシリーズで悔しい思いをしたキャプテンは、チャンピオンの座を目指して今季もチームを牽引していく。