勝負の9月を迎え、新人王争いもいよいよ最終局面に入った。ア・リーグでは、打撃で圧倒的な数字を残す選手に加え、投手として安定感を示す候補も存在感を増している。果たして最後に栄冠をつかむのは誰か。3人の記者が、それぞれの視点で「今季の新人王候補」を選んだ。
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ケビン・マクゴニグル(22歳、タイガース、遊撃手)
マクゴニグルの魅力は、長打だけでなく、出塁、走塁、守備まで含めてチームの勝利に貢献できる総合力を持つ点だ。長打力では村上宗隆(29本塁打)、岡本和真(28本塁打)に及ばないが、打率.276、出塁率.378はいずれも両者を上回る。
特に目を引くのが選球眼とコンタクト能力だ。81四球に対して三振は82個。さらに12盗塁を記録する走力に加え、遊撃、三塁のユーティリティーな守備力もある。総合的な貢献度を示すbWARは5.9で、村上の2.2、岡本の1.8を大きく上回る。fWARも4.6を記録している。(山田結軌)
村上宗隆(26歳、ホワイトソックス、一塁手)
現状の本命はマクゴニグルだが、対抗馬として村上宗隆を挙げたい。98マイルを超える直球に弱いという下馬評を覆し、開幕から3試合連続本塁打。4月にも5試合連続本塁打を記録するなど、大きなインパクトを残した。8本塁打を放った5月にはア・リーグ月間最優秀新人に選出され、序盤から長打力で存在感を発揮した。
ただ、その後は右太ももの肉離れで離脱。8月31日までで出場103試合で79安打、二塁打14本、本塁打29本はア・リーグで5位につけている。走攻守でバランスのいいマクゴニグルに対抗するには、ここからの一発攻勢がカギになる。終盤戦で本塁打を量産し、シーズンを40本塁打級まで押し上げることができれば、現在の評価をひっくり返すだけのインパクトは十分にある。(及川彩子)
ペイトン・トーリー(23歳、レッドソックス、投手)
レッドソックスのペイトン・トーリーを推したい。身長約 1 メートル98センチ、体重約 113 キロの巨体と、トレードマークの口ひげが目を引く 23 歳の大型左腕だ。8 月 31 日(日本時間 9 月 1 日)終了時点で、8 勝 6 敗、防御率 3.11、127 回 1/3 で143 奪三振と、先発として堂々の成績を残している。
だが、数字以上にその人柄も魅力的だ。2024 年に亡くなった母ジーナさんが高校時代に叫んでいた「You’re so pretty」をグラブに刻み、母から受け継いだ愛情を胸に、喜びを全身で表現しながらプレーしている。
また、8月31 日には、投ゴロを処理すると一塁へ向かうキャンゾーンを抱き締め、そのままタッチする、“ハグアウト”で会場を笑顔にした。どんな時にも野球を楽しむ心を忘れない。こんなに応援したくなる選手はほかにいない。(居城弘直)
