オールスターゲームは、単なる野球の試合にとどまらない。人と人とのつながり、地域社会との絆、そして支援活動の場でもある。
今週、多くの活動を通してそれを実践してきたMLBは、火曜日の球宴で最重要パートナーの一つ「Stand Up to Cancer(がんに立ち上がれ)」との連携イベントを行った。
現在がんと闘っている若き野球ファンの1人、シド・ホッブスくんは、第95回オールスターゲームの直前、球界を代表する選手たちと共にフィールドで打撃練習を体験する機会を得た。お気に入りの選手はフレディ・フリーマン(ブレーブスとドジャース両方のファン)。他にもオールスターに選ばれた選手の中では、クリス・セール、ロナルド・アクーニャJr.といった選手たちも応援しているとのことだ。
「これまでに7つの異なる脳腫瘍と診断されてきた」と、試合前の打撃練習中に語ったのは父のジョンさん。母親と弟も同行していた。
「10年ほど前からボールパーク巡りを始めて、東海岸の球場はすべて回ったよ。僕たちはボールパークに行くのが大好きで、『全球場制覇しよう』と決めたんだ」
「でも今年の4月、新たに診断を受けて、『どれくらい時間が残されているか分からない。でもこの夏、残り18球場すべて回ろう』と決意した。それでツアーを始めたんだ。旅の途中でマスターカードからメールが届いて、『オールスターゲームにご招待したい』って。最高の体験になってるよ、会った人たちみんなが本当に親切なんだ」
17歳のホッブスくんは、ドジャースタジアムで始球式を行った際にフリーマンと交流を果たしており、今回の再会を心待ちにしていた。
「こんなすごい選手たちを間近で見られるだけでうれしいよ。フレディやデーブ・ロバーツと会えたけれど、2人とも本当に良い人だった。初めての体験をして、ただ一緒にいられるってことが何より大切だ」
ホッブスくんは、MLBの主要イベントで恒例となっている「Stand Up to Cancer」と呼ばれる、がんと闘う人々を称える取り組みにも立ち会った。選手、審判、コーチたちが、がんと闘った友人や家族を称えるプレートを掲げる、スタジアム全体が一体となる瞬間だ。
トゥルイスト・パークのすべての座席にはプレートが置かれ、観客が名前を書けるようになっていた。プレートにはあらかじめ「I stand up for(私は〇〇のために立ち上がる)」という言葉が印刷され、空欄に名前が記入できるようになっていた。このセレモニーは四回終了後に行われた。
ナ・リーグ監督のデーブ・ロバーツは、数週間前に膵臓がんで亡くなった野球記者スコット・ミラー氏を偲んだ。ア・リーグ監督アーロン・ブーンは「ジェイク」と記し、ブレーブスのクリス・セールは「Dad(父)」、レッズのエリー・デラクルーズは「La Familia(家族)」と「Los Enfermos(病と闘う人々)」と記した。
ヤンキースのアーロン・ジャッジは「Uncle Frank(フランクおじさん)」、FOXの解説者で殿堂入り選手のデビッド・オルティーズは「Mi Viejo – Leo Ortiz(俺の親父 レオ・オルティーズ)」と書いた。フィリーズのオールスター、カイル・シュワーバーのプレートには、シンプルに「Everyone!(すべての人へ)」と記されていた。
このセレモニーは、2009年以降、オールスターとワールドシリーズで毎年行われており、MLBと30球団はこれまでに「Stand Up to Cancer」のがん研究費に約74億円以上を拠出している。