MLBスタットキャストによる2024 年の最高のプレー

March 29th, 2025
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2025 年シーズンの開幕前に、昨シーズンのトッププレーを振り返ってみよう。スタットキャスト(データ解析システム)では毎年、最速の打球や最長の本塁打、最速の投球、最高のキャッチなど、様々なカテゴリーでスーパープレーを紹介している。それでは、2024 年シーズン MLB 最高のプレーを見ていこう。

195.5km/時
最速のヒット
オニール・クルーズ
パイレーツ (5月21日)
2024年シーズン中、速度120マイル(約193.1キロ)超えの打球は両リーグ合わせて6本。うち上位4本はクルーズが記録した。中でも最速は、9回2アウトから同点に追いつく劇的な適時二塁打で、ジャイアンツの守護神カミロ・ドバルが投じた時速100.3マイル(約161.4キロ)のカッターを捉えたものだった。

193km/時
最速のホームラン
ジアンカルロ・スタントン
ヤンキース (5月8日)
ビッグGことジアンカルロ・スタントンは、2024年シーズンで最も速い打球速度の本塁打を放った。5月にヤンキー・スタジアムで行われた試合では、アストロズのルーキー、スペンサー・アリゲッティ投手を相手に放った一発が、打球速度およそ120マイル(約193.1キロ)を計測。スタットキャスト導入以来5番目に速い本塁打だった。スタントンの記録は歴代トップ5のうち3つを占めており、うち1位と2位を彼が記録。また、スタットキャストがデータ追跡を始めてからの10シーズン中、5度シーズン最速の本塁打を記録している(2015年、2018年、2020年、2022年、2024年)

480フィート
最長のホームラン
ヘスス・サンチェス
マーリンズ (8月5日)
サンチェスは、アーロン・ジャッジ(最長477フィート/約145.4メートル)、大谷翔平(476フィート/約145.1メートル)、マイク・トラウト(473フ ィ ー ト/約144.2メートル)といったスーパースター級のスラッガーを抑え、2024年シーズン最長飛距離本塁打記録を達成。その一発は、マイアミのローンデポ・パークでレッズ相手に放った480フィート弾だった(約146.3メートル)。 しかし、これはサンチェスのキャリア史上最長の本塁打ではない。彼は2022年5月30日にクアーズ・フィールドで496フィート(約151.2メートル)の超特大弾を放っている。その時は標高の高いデンバーの薄い空気の手助けもあったが、マイアミでの一発は、手助けなしで放たれたものだ。

169.8km/時
最速の投球および三振
ベン・ジョイス
エンゼルス (9月3日)
ジョイスは、チャップマン以来初めて、そしてピッチトラッキング時代の2008年以降で唯一、投球速度105.5マイル(約169.8キロ)に到達した投手となった。この速球で、後にナショナル・リーグ優勝決定シリーズMVPとなるトミー・エドマンを空振り三振に仕留めた。チャップマンの105.8マイル(約170.3キロ)と105.7マイル(約170.1キロ)の投球はいずれもボール判定だったため、ジョイスのこの投球は、トラッキング史上最速の三振球である。エンゼルスの若き投手は、2008年以降に105マイル(約169キロ)超の三振球を投げた唯一の剛腕投手となった。

14.08秒
最速のランニングホームラン
ピート・クルーアームストロング
カブス(8月23日)
PCA(ピート・クルーアームストロング)は、スタットキャスト時代で最速クラスのランニングホームランを記録した。2024年シーズン、コービン・キャロル(14.32秒)やエリー・デラクルス(14.96秒)といった俊足選手がランニングホームランを決めたが、クルーアームストロングは、マーリンズ戦でわずか14.08秒でダイヤモンドを一周。バイロン・バクストンが2017年8月18日に記録したスタットキャスト最速記録の13.85秒に次ぐ歴代2位の速さだった。

9.2m/秒
最速の三塁打
コービン・キャロル
ダイアモンドバックス (5月18日)
キャロルはMLB屈指の走塁技術を持つ選手であり、2024年シーズン最速の三塁打を記録した。ダイヤモンドバックスの俊足選手であるキャロルは、チェイス・フィールドで行われたタイガース戦で、ホームから三塁まで11秒を切るスピードを披露。またキャロルは、昨シーズンの三塁打の最速トップ3を独占し、10.84秒と10.86秒のタイムも記録している。

163.0km/時
最速の外野補殺
ノーラン・ジョーンズ
ロッキーズ (7月1日)
ジョーンズは強肩を誇る外野手だ。2024年には時速100マイル(約160.9キロ)超えの外野補殺を2度も記録。彼以外に100マイル(約160.9キロ)超えの送球で補殺をした選手はパイレーツのウィリアム・クックのみだった。ジョーンズの最高球速記録は、左翼から二塁への101.3マイル(約163キロ)のレーザービームで、ブルワーズのエリック・ハースがシングルヒットを二塁打にしようとしたところをアウトにした。さらに、2023年には最速の102.7マイル(約165.3キロ)で補殺を記録し、過去2シーズンで5度の100マイル(約160.9キロ)超え補殺を達成している。

捕球確率5%
最高のキャッチ
ドールトン・バーショ
ブルージェイズ (7月5日)
5%キャッチ(捕球確率が5%)は、外野手にとって最も難度の高いプレーとされているため、シーズン終わりには、どの5%キャッチも最高のハイライトプレーとして選ばれる。その中でも、7月5日、バーショが見せた驚異的なキャッチは、外野手として最高のプレーだった。ゴールドグラブ受賞外野手であるバーショは、フルスピードで左中間のフェンスに激突しながらも、マリナーズのルーク・レイリーの長打を阻止。フェンスを警戒しつつ、ボールに到達するために122フィート(約37.2メートル)を6.2秒で駆け抜けたのは圧巻だった。

そして忘れてはならない…

最も遅い投球
ドミニク・スミス - レッドソックス
31.9マイル(約51.3キロ)

空振りを奪った最も遅い球
ギャレット・スタッブス - フィリーズ
51.8マイル(約83.4キロ)

最も遅い本塁打のダイヤモンド一周
マニー・マチャド - パドレス
34.76秒