昨季のドジャースは、3人の先発投手と、ブルペン投手を先発させる「ブルペンデー」でワールドシリーズ制覇を果たした。
1年で状況は大きく変わった。
今季のドジャースは、健康な状態の先発ローテーションでポストシーズンを迎えるだけでなく、近年でも最も層の厚い投手陣を誇る。まず初戦はブレイク・スネルがナ・リーグのワイルドカードシリーズ初戦先発を務める。
第2戦は山本由伸が続き、第3戦までもつれこんだ場合は、まだ正式に決まっていないが、デーブ・ロバーツ監督は、大谷翔平が先発する可能性が高いと述べた。
この他にも、タイラー・グラスナウとエメット・シーハンがワイルドカードシリーズ中はブルペンに控える。クレイトン・カーショウはマリナーズ最終戦で登板したため、このラウンドでは出場しないが、チームが勝ち進めばディビジョンシリーズのロースターに入る予定だ。
「自分がポストシーズンに臨む中で、これほどの先発陣を揃えたのは、まちがいなく初めてだ」とロバーツ監督は先週語った。
その先陣を切るのがスネルだ。今オフにドジャースと5年総額1億8200万ドルで契約。サイ・ヤング賞を2度受賞している彼は、今季は左肩の炎症で4カ月間負傷者リストに入っていたが、8月に復帰後は好調を維持し、シーズン終盤には11先発で5勝4敗、防御率2.35という成績を残した。
スネルは今季、レッズ戦には登板していない。レッズと最後に対戦したのは2024年8月で、その際にはジャイアンツの一員としてキャリア初のノーヒッター(ノーヒットノーラン)を達成している。
「もうずいぶん前のことだ。彼らも変わったし、僕も変わった。多くのことが変わった。そしてこれはポストシーズンの試合だから、より一層重要な意味を持つ。よりエキサイティングな試合になるだろう。チェスのような駆け引きになるはずだ。彼らには良い打者がいるし、今、調子のいい選手もいる。いい勝負になると思う」
スネルが最後にポストシーズンで登板したのは2022年で、当時所属していたパドレスでナ・リーグ優勝決定シリーズまで進出した。ポストシーズン通算では12試合(先発10試合)に登板し、防御率3.33を記録している。
左腕の最も有名なポストシーズン登板は、2020年のワールドシリーズ第6戦、当時レイズに所属していたときのドジャース戦だ。その試合でスネルはドジャース打線を完全に封じ込めていたが、六回に交代させられ、その直後にドジャースが逆転し、そのまま優勝を決めた。
そして今、彼はドジャースの一員としてポストシーズンのマウンドに立つ。
「ここに来た理由は10月に投げるためだった」とスネルは語った。「自分自身を試すため。最もプレッシャーがかかる場面で、最高の相手と対戦する。それがずっと望んできたことだし、この状況にいられることにワクワクしている」
スネルの復帰は、ドジャースの6人ローテーションにとって決定的な変化をもたらした。彼の存在で陣容が整い、数字がそれを証明している。8月1日以降、ドジャースの先発陣は防御率3.35を記録し、この期間ではガーディアンズ(3.30)に次ぐリーグ2位。
さらに9月には、先発陣が被打率.173を記録。これは少なくとも1900年以降で、1カ月間にローテーションが記録した最低の被打率となった。
もしドジャースがワイルドカードを突破すれば、次のシリーズでは4人の先発投手しか必要ない。その場合、グラスナウがローテーション入りし、シーハンとカーショウは引き続きブルペンに回る可能性が高い。
これは、今季防御率4.27と苦戦したブルペンの補強にもつながる。この数字は、ポストシーズンに進出したナ・リーグ6球団の中で、フィリーズと並んで最下位。
「去年と比べて、先発陣の層は確実に厚くなってる」とショートのムーキー・ベッツは語った。「しかもみんな調子がいい。お互い刺激を与え合ってるし、フロントオフィスがこのローテーションを揃えてくれたのは素晴らしいこと。そして選手たちも、それに応えるパフォーマンスを見せている。みんな準備万端だろうし、このまま好調を維持していけば、チームとしても大きなチャンスが巡ってくるはずだよ」
昨年のドジャースは、先発投手の不安を抱えながらもワールドシリーズ制覇を成し遂げた。今年は25年ぶりの連覇を狙う中で、この盤石な先発陣がその原動力となる可能性が高い。
