【コラム】40年前の“骨董品”が試合用、ブルージェイズのシュナイダーが愛用するグラブ

April 6th, 2026

春季キャンプ以来、ずっと気になっていた。ブルージェイズのデービス・シュナイダー(27)が使っているミズノ社製の古いグラブだ。岡本和真(29)の取材のため、3月にフロリダを訪れた。私は1日半しかブルージェイズの取材時間がなかったため、シュナイダーにグラブに関する取材をすることはかなわなかった。しかし、4月3日から、シカゴでのホワイトソックスとの3試合シリーズでは念願の(?!)グラブ取材が実現した。

まず、シュナイダーの人柄を知るべくMLB.COMのブルージェイズ番記者、キーガン・マシソンさんに「シュナイダー選手ってどんな人? グラブについて聞きたいんだけど、そういう質問は大丈夫かな?」とたずねた。「メディアにはとてもフレンドリーで取材を好意的に受けてくれる選手の1人。質問は歓迎してくれると思うよ!」とのこと。さらにブルージェイズ取材経験豊富な及川彩子記者にもたずねると「とてもいい人だよ」と背中を押してもらった。そんなワケでホワイトソックスの本拠地、レートフィールドのビジタークラブハウスに行き、練習前のシュナイダーに質問した。ソファに腰掛け、スライディングパンツだけしか履いていないリラックスした状態だった。

古いグラブについての初報は、シュナイダーがメジャーデビューした当時に掲載されたスポーツ・ネット(ブルージェイズの中継局)の電子版原稿に掲載済み。これを“予習”して、質問した。

きっかけは、シュナイダーがオフシーズンにトレーニングを行っている施設の忘れ物保管所に1年半ほど放置されていたものを使い始めたという。古くてかっこいいという理由で選んだこのグラブにはラベルの横に「VUK」という文字がペンで書かれており、フィリーズなどでプレーした元メジャーリーガーのジョン・ブコビッチのものであるらしい。偶然にも、ブコビッチの息子は、現在チームを率いるジョン・シュナイダー監督の大学時代のルームメートだという。

「感触が好きだし、古い見た目も気に入っているね。80年代に作られたもので元フィリーズの選手が当時使っていたらしいんだけど、自分の手にすごくフィットしたから、そのまま使っているよ」

革ひもの交換はしているが、捕球面はすり減って消耗が目立つ。「間違いなく寿命は近いね」。もちろん、メジャーリーガーには大手スポーツメーカーから、すでに新しい最高品質のグラブは納品されている。「壊れたときのために、練習で使って、型付けをしている新しいグラブはある。でも、やっぱり…」とグラブをパカパカと開閉しながら、愛着を語る。使いやすさが最優先。「拾い物」の古いグラブは、メジャーリーガーの試合用グラブとして活躍している。

「本当に壊れるまで使うね。とにかく今はこれを使うのが好きだね」

日本のミズノ社のスタッフは、春季キャンプで革紐の交換とメンテナンスを行なった。保革用のオイルやレザークリームは、ビンテージ感を残したいから、塗らないでほしい、との要望をシュナイダーから受けたそうだ。内外野を守るユーティリティー選手、シュナイダーの活躍とグラブに注目してほしい。