8月3日午後6時(日本時間4日午前7時)に迫った今年のトレード期限を左右する、重要な問いの一つが浮かび上がってきた。
パドレスはメイソン・ミラーをトレードするのか?
タリク・スクーバルを除けば、現在のトレード市場で最も注目を集めているのがミラーだ。ほぼすべての球団に救援投手を補強する余地がある中で、球界最高のリリーバーであるミラーが関心を集めるのは当然だ。
トレード期限まで残り5日。パドレスとミラー、そして救援投手市場を巡る現在の状況を見ていこう。
パドレスの現状は?
この時期は、わずか数日で状況が一変する。パドレス(55勝53敗)にも、それが起きているのかもしれない。チームは29日(日本時間30日)の試合に勝利し5連勝。ワイルドカード圏内まで1.5ゲーム差で、ファングラフスによると、パドレスのプレーオフ進出確率は17.5%まで上昇し、6月末以降で最も高くなっている。
『ジ・アスレチック』(有料)のデニス・リン記者は先週、パドレスのAJ・プレラーGMがトレード期限に選手を獲得する「買い手」となれる状況を望んでいると報じた。オールスターブレイク後の7試合で5敗を喫した時点では、その方針を実現するのは難しいように見えた。しかし、状況は変わりつつある。
ミラーのトレードには何が必要か?
ミラーのトレード価値を語るには、まず彼がどれほど優れた投手なのかを確認する必要がある。文句なしに球界最高の守護神であり、10月のポストシーズンでチームを勝利に導ける存在だ。今季は44回2/3を投げて防御率0.81、83奪三振。規定を満たす救援投手の中で奪三振率49.1%はトップ、被打率.137は2位に入っている。
その実力があったからこそ、パドレスは昨季のトレード期限にミラーを獲得するため、高く評価されていたレオ・デブリーズを放出するという莫大な対価を支払った。現在アスレチックスに所属する19歳の遊撃手は、MLBパイプラインの有望株ランキングでメジャー全体2位に位置している。
さらに、ミラーは今季限りの「レンタル」選手ではない。むしろ、そこからは程遠い。27歳の右腕は今季終了後も3年間球団が保有でき、FAになるのは2029年シーズン終了後だ。これらすべてを考えれば、パドレスの要求額が極めて高くなるのは間違いない。
ESPNのジェフ・パッサン記者は28日、パドレスがミラーの獲得を本気で目指す球団に対し、「対価として誰であっても差し出す必要がある」と伝えていると明かした。一方、MLBネットワークのジョエル・シャーマン記者(『ニューヨーク・ポスト』、有料)によると、パドレスと交渉する球団は、ミラーのトレードにはトップクラスの有望株に加え、すぐにメジャーで戦力となれる若手選手を組み合わせたパッケージが必要になると考えている。
ほかに注目される救援投手のトレード候補は?
ミラーが残留するとしても、救援投手市場でパドレスが動く可能性は残っている。チームが誇る強力なブルペンコンビのもう一人、左のセットアッパーであるエイドリアン・モレホンが放出可能となれば、実際にトレードされる救援投手の中で最大の注目選手になるかもしれない。
27歳のモレホンは今季50試合に登板し、防御率3.14、57回1/3で64三振を奪っている。シンカーの平均球速は99.5マイル(約160.1キロ)と、左腕では球界屈指の速さを誇り、純粋な球威もトップクラスだ。ミラーとは異なり、モレホンは今季終了後にFAとなる。パドレスには優勝争いを続けながらモレホンを放出し、その見返りを質の高い先発投手の獲得など、ほかの補強ポイントに充てる選択肢もある。
期待を下回る戦いが続き、選手を放出する「売り手」となる可能性が高まっているブルージェイズから、ジェフ・ホフマンの復調に期待して獲得に動く球団が現れるかもしれない。33歳のホフマンは今季途中に守護神の座を失い、49試合で防御率4.11。それでも最近は3試合連続無失点と状態を上げており、各球団が試合終盤を任せる投手に求める空振りを奪う力も健在だ。奪三振率34.8%は自己最高で、規定を満たす救援投手の中では7位に入っている。
ブルペン補強の必要性が最も高い優勝候補は?
MLBネットワークのジョン・ヘイマン記者は24日、『ブリーチャー・リポート』に出演し、ミラーの獲得先としてヤンキース、パイレーツ、マリナーズの3球団が最有力だとの見方を示した。
シャーマン記者(『ニューヨーク・ポスト』、有料)によると、パドレスは先週末、ヤンキース傘下の各階級にスカウトを派遣していたという。守護神デービッド・ベッドナーとフェルナンド・クルーズを補完する、空振りを奪える救援投手をさらに加えたいとヤンキースは考えている。ただし、球団内トップでMLBパイプラインの全体20位に入る内野手ジョージ・ロンバードJr.のような有望株を手放せるだろうか。報道によると、ヤンキースはトレード交渉でロンバードJr.を放出対象外としている。
パイレーツでは、開幕時に守護神を務めたデニス・サンタナが不振に陥り、今月上旬にDFAとなったことで、左投手が中心のブルペンに穴が生じた。ミラーが加入すれば、その状況は大きく変わる。ピッツバーグの救援陣は全体で防御率4.41と、メジャーで7番目に悪い数字にとどまっている。
マリナーズには、オールスター選出2度を誇る信頼できる守護神アンドレス・ムニョスがいる。ムニョスは最近状態を上げ、6月1日以降は防御率2.70を記録している。セットアッパーのマット・ブラッシュも広背筋の負傷から来月中に復帰する見込みだが、球団としては、ケガ明けの投手だけにブルペン強化を託すことは避けたいところだ。
もう一つ注目すべき球団がフィリーズだ。オールスター守護神のヨアン・デュランを擁しているものの、救援陣の補強は依然として必要になっている。オフに2年契約を結んだブラッド・ケラーは今季中の復帰が絶望視され、左腕ホセ・アルバラドも46試合で防御率5.85と苦しんでいる。