WS第6戦、見どころ&予想スタメン

October 30th, 2025

ワールドシリーズ(WS)第6戦は、ブルージェイズのファンにとって特別な響きを持つ。

1992年の第6戦では、デーブ・ウィンフィールドがアトランタ・フルトンカウンティ・スタジアムで延長11回に勝ち越しの2点二塁打を放ち、球団史上初のWS制覇を決めた。

そして、1993年の第6戦では、ここ最近何度も振り返られているように、ジョー・カーターがフィリーズ相手にサヨナラ本塁打を放ち、2年連続の王座を手にした。

果たして今回も第6戦でトロントが栄冠をつかむのか。それともドジャースがこのシリーズを第7戦へ持ち込むのか。

WS第6戦、カナダのファンが再び劇的な結末を期待して声援を送る。

「待ちきれないよ」

ブルージェイズのジョン・シュナイダー監督は言った。

「ロジャースセンターがどんな雰囲気になるのか、どんな音に包まれるのか、そしてどんな空気になるのか楽しみだ」

この一戦でドジャースが再び立ち上がるなら、その任務にふさわしい男がいる。山本由伸(27)だ。第2戦ではこのポストシーズン2試合連続となる完投を果たし、破壊力あるブルージェイズ打線をわずか1失点に抑える好投だった。第4、5戦で苦しい戦いが続いたとはいえ、第6戦の立ち上がりを託すにはこれ以上ない存在だとチームは信じている。

一方のブルージェイズは、敵地ドジャースタジアムで底力と層の厚さを示した。第3戦で延長18回まで及ぶ激闘の末に敗れた直後、内容のある連勝でロサンゼルスの観客を沈黙させ、このシリーズの流れを書き換えた。そして第6戦では、先発ローテーションの中核であり精神的支柱でもあるケビン・ゴーズマンがマウンドに立つ。

歴史的には現行の7戦4勝制で2勝2敗から敵地で先に勝ち越して本拠地に戻るチーム(今季のブルージェイズ)は、シリーズを74.1%の確率で制している。したがって、プレッシャーはドジャース打線にかかる。今シリーズは打率.201、出塁率.296、長打率.354に抑えられている。

「最終的には、誰を起用するか、構成がどうであれ、チーム全員が質の高い打席に立たなければならない」

ロバーツ監督はそう語った。

「だからこそ、私はそこに懸けている」

2024年にア・リーグ東地区最下位に終わったブルージェイズには、今季開幕時点で大きな期待は寄せられていなかった。東地区を制したあとでさえ、このチームの中核メンバーがまだプレーオフで1勝も挙げていなかったことを考えれば、10月にどんな戦いを見せるのか誰にも予想できなかった。

しかし、長打力と粘り強さ、そして忍耐を武器にブルージェイズはあと1勝で王者からトロフィーを奪い取る位置に立っている。ドジャースがそれを許すかどうかは、まもなく明らかになる。

視聴方法

試合開始:東部時間午後8時 放送:FOX

日本時間11月1日、午前9時 放送:NHK総合、SpoTV Now、JSports 3

先発投手

ブルージェイズ:右腕、ケビン・ゴーズマン(10勝11敗、防御率3.59)
WS制覇の懸かるマウンドにエースが上がる。もちろん、山本と対するのはメジャーでも最も厳しい戦いの一つだ。ゴーズマンからリリーフまでの投手起用は理想的な流れといえる。第2戦では七回にウィル・スミスとマックス・マンシーにソロ本塁打を浴びて敗れたものの、それまでは6回2/3を力強く投げ抜き、内容は抜群だった。あの1球さえ防げれば、“偉大な山本”と互角に渡り合う力を持つ投手だ。

また、スプリットはトレイ・イェサベージの球とは軌道が大きく異なり、横ではなく縦に鋭く落ちる。そのため、ドジャース打線は対応が難しく、前回対戦との重なりはほとんどないだろう。

ドジャース:右腕、山本由伸(12勝8敗、防御率2.49)
3試合連続の完投となるか。現代野球では前例のない快挙だが、そもそもポストシーズンで2試合連続完投を記録したのも、山本がナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)とWSで達成するまで24年ぶりのことだった。これまでも山本は大舞台でこそ真価を発揮しており、ポストシーズン通算8試合のうち6試合で自責点2以下に抑えている。シーズンの命運を懸けたこの試合、ドジャースにとって山本以上にふさわしい先発はいない。

ブルージェイズ

ジョージ・スプリンガーが第3戦で右脇腹の張りを訴えて途中交代し、第4戦と第5戦を欠場しているため、第6戦の出場可否が鍵を握る。22日にはロサンゼルスでピッチングマシンを使って打撃練習を行ったが、状態はいまだ不透明だ。もしスプリンガーが欠場する場合、右腕の山本に対してはネイサン・ルークスが再び1番に入ると予想される。

  1. ネイサン・ルークス(左)
  2. ブラディミール・ゲレーロJr.(一)
  3. ボー・ビシェット(DH)
  4. アレハンドロ・カーク(捕)
  5. ドールトン・バーショ(中)
  6. アーニー・クレメント(三)
  7. アディソン・バージャー(右)
  8. イサイア・カイナー=ファレファ(二)
  9. アンドレス・ヒメネス(遊)

ドジャース

第5戦で打順を入れ替えたが狙いどおりにはならず、4安打1得点にとどまった。ロバーツ監督はミゲル・ロハスの先発起用を検討しているが、その場合はトミー・エドマンをセンターに回す必要がある。チームは特に人工芝では、右足首に不安を抱えるエドマンを外野で9イニングを通して起用することには消極的だ。

  1. 大谷翔平(DH)
  2. ウィル・スミス(捕)
  3. ムーキー・ベッツ(遊)
  4. フレディ・フリーマン(一)
  5. マックス・マンシー(三)
  6. テオスカー・ヘルナンデス(右)
  7. キケ・ヘルナンデス(中)
  8. トミー・エドマン(二)
  9. アレックス・コール(左)

先発降板後のリリーフ起用は

ブルージェイズ
第5戦でトレイ・イェサベージが圧巻の投球をしたことでブルージェイズのリリーフは第6戦に向けて理想的な状態だ。セランソニー・ドミンゲスとジェフ・ホフマンがそれぞれ1イニングを投げたが、30日の休養日を挟んだことで、ジョン・シュナイダー監督はこの大一番でブルペン全員を自由に起用できる。

大谷に対してどのようにリリーフ投手をぶつけるか。このシリーズの行方を左右しかねない重要な要素だが、終盤を任せられる救援陣に加えて、クリス・バシットが新たな切り札として台頭している点も心強い。ブルペンの優位はトロントにある。

ドジャース
30日の休養日を挟み、第6戦はリリーフ全員が待機できる見通しだ。残りは最大で2試合。できる限り信頼する勝ちパターンの救援で固めたい。注目の一手は大谷のリリーフ投入で、必要に応じて起用の可能性がある。

佐々木朗希(23)はブルペン転向後の支配的な投球で抑えに定着。続く候補として、エメット・シーアンとジャスティン・ロブレスキーも重要局面での起用に値する。第3戦のヒーロー、ウィル・クラインも戦列復帰の見込みだ。一方、アレックス・ベシアは欠場見込みで、チームは理由を「極めてプライベートな家族の事情」と説明している。

主な負傷者情報

ブルージェイズ
ジョージ・スプリンガーは第3戦で右脇腹の張りを訴えて途中交代し、第5戦でも欠場した。ただ、試合前にはグラウンドでランニングを行い、ケージでマシンを使って打撃練習も行っている。30日の休養日にもリハビリを続け、第6戦前に再び状態を確認する予定だ。先発出場が難しくても、代打や代走での起用が想定される。

ボー・ビシェットは左膝の捻挫を抱えていたが、WSで戦列に復帰し、ここまで全試合で出場している。スプリンガーが欠場しているため、DHとして起用されており、打撃で試合を通して貢献できる状態だ。

アンソニー・サンタンダーは背中の負傷によりア・リーグ優勝決定シリーズの途中でロースターを外れ、ワールドシリーズ出場資格を失っている。

ドジャース
ウィル・スミスは右手のひびを抱えながらも、ナ・リーグ地区シリーズからスタメンに復帰しており、それ以降すべての試合に出場している。トミー・エドマンは右足首の問題を抱えており、今季2度負傷者リスト入りした。第3戦ではセンターで5イニング守ったが、必要な場合を除き外野での出場は予定されていない。

救援のタナー・スコットは下半身の膿瘍除去手術からの回復が続いており、WSのメンバーには登録されていない。

好調・不調の選手は

ブルージェイズ
ブラディミール・ゲレーロJr.は第5戦で今ポストシーズン8本目の本塁打を放ち、デービス・シュナイダーとともにブレイク・スネルの初球から3球で2本塁打を叩き込んだ。山本相手には簡単にはいかないが、スプリンガー不在でもこの打線の内容には自信を持てるはずだ。

アディソン・バージャーの存在感も増しており、2安打を重ねて打率は.346に上昇。アレハンドロ・カークと絶好調のアーニー・クレメントも打線をけん引している。

このシリーズで唯一欠けているのは、ボー・ビシェットの“象徴的な瞬間”だ。まだ万全とは言えないが、持ち前の打撃技術と対応力を考えれば、山本との対戦で勝負を分ける一打を放つ可能性は十分にある。

ドジャース
このチームで「好調」は相対的な意味合いだ。ワイルドカード以降、攻撃は抑え込まれている。テオスカー・ヘルナンデスは第5戦で4安打中2安打、通算打率は.286。地区シリーズ開幕以降でOPSが.800超は大谷(1.500)とフリーマン(.872)の2人だけだ。アンディ・パヘスは通算打率.080で、第5戦は今ポストシーズンで初めて先発を外れた。

ファンが知っておきたいその他の情報は

  • ・過去55年で単一ポストシーズンに3試合連続完投を記録した投手は3人だけ。カート・シリング(2001年)、オーレル・ハーシュハイザー(1988年)、ルイス・ティアント(1975年)。
  • 大谷は第3戦で今ポストシーズン8本塁打を放ち、単一ポストシーズン本塁打数でコーリー・シーガー(2020年)に並ぶ球団記録タイとした。