ブレーブスのボールドウィンがナ・リーグ新人王に選出

球団史上10人目の新人王、捕手では球団史上2人目

November 11th, 2025

10日(日本時間11日)、ナショナル・リーグの新人王にドレイク・ボールドウィン(ブレーブス)が選出された。ボールドウィンは30名の投票者のうち21名から1位票、9名から2位票を獲得し、合計183ポイント。ケイド・ホートン(カブス)が139ポイントで2位、ケイレブ・ダービン(ブルワーズ)が69ポイントで3位、アイザック・コリンズ(ブルワーズ)が62ポイントで4位、デイレン・ライル(ナショナルズ)が17ポイントで5位と続いた。

2月にスプリングトレーニングに合流した際、ミズーリ州立大学から2022年ドラフト3巡目で指名されたボールドウィンは、開幕メジャーは難しく、マイナー3Aでさらなる経験を積む必要があると予想されていた。しかし、それから9カ月後、ボールドウィンはナ・リーグ新人王に選出された。

ブレーブスの正捕手ショーン・マーフィーが肋骨を骨折し、負傷者リスト入りしてシーズン開幕を迎えたため、球団ナンバーワン有望株のボールドウィンは開幕から正捕手を務めることになった。そして、ボールドウィンはその機会を最大限に生かした。シーズン序盤は打撃不振に苦しんだものの、レギュラーシーズン2日目に24歳の誕生日を迎えた若手捕手は、5月になると一気に爆発し、月間打率.389、出塁率.411、長打率.593をマークした。

シーズンを通して微調整を繰り返しながら打撃の安定性を高めていき、シーズン最後の3カ月はいずれも月間OPS.800以上。最終的には打率.274、19本塁打、出塁率.341、長打率.469という成績を残し、ファングラフスが算出する総合指標WARはナ・リーグ新人トップの3.1を記録した。

その結果、ブレーブス史上10人目となる新人王に選出。1948年のアル・ダーク、1950年のサム・ジェスロー、1971年のアール・ウィリアムス、1978年のボブ・ホーナー、1990年のデービッド・ジャスティス、2000年のラファエル・ファーカル、2011年のクレイグ・キンブレル、2018年のロナルド・アクーニャJr.、2022年のマイケル・ハリス2世に続く快挙だが、捕手ではウィリアムスに続いて球団史上2人目だ。

バットスピード(75.3マイル)が非常に速いボールドウィンは、ほかの打撃指標でも好成績を残し、今季の打撃成績が「まぐれ」ではないことを証明している。スタットキャストによると、ボールドウィンの空振り率(19.5%)、三振率(15.2%)、ハードヒット率(49.6%)、平均打球速度(91.7マイル)などは、いずれもメジャー全体の上位20%にランクインしている。

デビュー1年目から数々の印象的な活躍を見せ、7月21日のジャイアンツ戦では1試合6打点をマークしたボールドウィンだが、最も記憶に残る試合は8月7日のマーリンズ戦だろう。この試合、ボールドウィンは2本塁打と試合終盤の同点タイムリーを含む5打数3安打5打点の活躍を見せ、チームを逆転勝利に導いた。試合後、ブライアン・スニッカー監督(当時)はボールドウィンをかつてのブレーブスのスター捕手に例えた。

「ブライアン・マッキャンがメジャーに上がってきたときも同じだった。彼は攻撃的捕手として活躍したが、ドレイクも彼と同レベルの選手だと思う」

守備面ではブロッキングで優れた数字を残し、ブロッキングの指標はメジャー全体の上位8%に位置している。マーフィーが負傷離脱した穴を埋める間にも着実に成長を遂げ、クリス・セールやスペンサー・ストライダーといったチームの主力投手から捕手としての能力を称賛された。

開幕ロースター入りを予想されていなかった男にとって、悪くないデビューイヤーだったはずだ。

8月、ボールドウィンは自身のデビューイヤーについて「2025年シーズンの開幕からメジャーにいるなんて、全く予想していなかった。昇格のチャンスがあるとすれば、9月くらいだと思っていたんだ。でも、こうしてメジャーでプレーすることができているのは素晴らしいね」と語っていた。