【解説】西田陸浮、なぜマイナー降格?「マイナー・オプション」とは?

6:00 AM UTC

ホワイトソックスの西田陸浮(25)が球団2位の有望株ブレーデン・モンゴメリー(23)のメジャー昇格により、マイナー降格をした。なぜ、他の選手もいる中で西田がマイナー降格に指名される対象になったのか? 確かにパワーヒッターではないアベレージ打者タイプとして打率.241、盗塁ゼロはアピール不足だった。しかし、右翼の守備ではわずかな出場機会で「4点分を防いだ」ことを示す「DRS+4」をマークしていた。右翼手としてメジャー5位にランクインするなど高い守備力で勢いに乗るチームに貢献した。

主な理由として西田には「マイナー・オプション」があったため、降格対象になった。

メジャー選手がマイナーに移る場合、日本プロ野球のように何度も制限なく行き来できるわけではない。

この「マイナー・オプション」とは、何か。

ごく簡単にいえば、メジャー40人枠の選手をマイナーに送るルールだ。通常、選手には「3シーズン分」の「マイナー・オプション」がある。「回数」ではなく、「シーズン分」でカウントされる。3シーズン分の「マイナー・オプション」を使い切った選手は、チームが簡単にマイナー降格させることができない。西田と似たタイプの選手で内外野を守るユーティリティーであり、俊足のルイスアンヘル・アクーニャ(24)は打率.188、出塁率.238、11盗塁だったが、「マイナー・オプション」がなかった(使い切っていた)。成績としては、アクーニャも降格候補だったかもしれないが、「マイナー・オプション」の有無で西田が選ばれた、という背景だ。

では、「マイナー・オプション」の1シーズン分が、カウントされる基準は何か。

マイナーに送られた40人枠の選手が、同一シーズンに合計20日以上マイナーに在籍した場合、オプションを1年分消費する。降格1回ごとに1つ減るわけではなく、同じシーズン中に何度メジャーとマイナーを行き来しても、消費は最大1年分だけ。

ただし、1シーズン中にオプション降格できる回数は5回まで。6回目以降にマイナーへ送るには、他球団にも獲得機会を与える措置=つまり他球団へ移籍できるチャンスが生まれる「アウトライト・ウェーバー」が必要になる。野手は原則、降格後10日間はメジャーに再昇格できないが、負傷者リスト入りした選手の代替などでは例外的に10日以内でも再昇格できる。

やや理解が難しくなる点は、マイナー降格が「回数」で制限されるわけではなく「シーズン分」の換算方法だから。単一シーズンでは、1シーズン分しかオプションは消化されない。つまり、シーズン中にメジャーとマイナーを行き来するような当落線上の選手、いわゆる“1軍半”の選手の場合、3年間はメジャーのベンチ入り枠を勝ち取っても、メジャーに居続けるためのルール上の立場は弱い、ということだ。

「マイナー・オプション」が3年分、消化されている選手をマイナーに降格させる場合は、基本的にはメジャー40人枠から外す措置=DFAにしなければならない。

つまり、西田を含めたメジャー歴の浅い選手は「マイナー・オプション」があるため、チームとしてはマイナー降格させやすい。主力やレギュラーが負傷者リストから復帰する場合、あるいはトレードなどで主力クラスを補強した場合に「マイナー・オプション」のある選手を降格させてメジャーの試合に出場できる26人枠を空ける編成上の措置が取られる。