ヤンキースでGM付特別アドバイザーを務める松井秀喜氏(51)が18日(日本時間19日)、ニューヨーク郊外で野球教室を開催した。自身が代表理事を務める「松井55ベースボール・ファウンデーション」の主催で39回目を迎えた。公募した日本人や日系人の小学4〜6年生、37人が参加。恒例のフリー打撃のデモンストレーションでは、逆風に苦しみながらもホームランを披露し、子供たちから拍手と歓声を受けた。
「(ホームランが)入ってないことあるんです、実は。日本で2回入らなかったんです。来ていただいて、ホームランをお見せできないのが一番悲しい。今日もだいぶ逆風だった。引退するとそういうの(気象条件など)を言い訳にするんです。選手の時は、言い訳はしないですけどね」
子どもたちの打撃練習では、松井氏が投手を務めた。キャッチボールでは、「相手の取りやすいボールを心がけて」と基本的な指導をしている。「技術的なことよりも、野球が楽しくなったとか、もっと野球をやりたい、と思ってくれたらうれしい」と参加者に語りかけた。
野球教室のメーンイベントは最後に行われる松井氏のフリー打撃。子どもたちから現役時代のニックネーム「ゴジラ!ゴジラ!」と声がかかると「もうゴジラじゃないんだよ。オジサン、今いくつか分かる?」と笑った。和やかな雰囲気から、いざバットを持ち打席に立つとオーラは現役時代さながら。序盤は、バットの芯を外すこともあったが、徐々にタイミングが合うと打球音は甲高く響いた。打球と向かい風に条件に「きょうはフライを上げるとダメだね。ライナーでポール際じゃないと入らないかも」とスイングを調整。なかなか柵越えせず「あと5球で(ホームランが)出なかったら、ごめんね」と宣言した5球目に見事右翼ポール際にオーバーフェンスさせた。無事に柵越えを打つとバンザイのポーズ。「よかった、よかった、よかった!」と安堵の笑顔を見せた。
参加した子どもたちは、松井氏の現役時代を詳しく知らない年代だが、引率した両親は世代のど真ん中。柵越えの瞬間には、親子で歓声をあげた。引退しても元ヤンキースの選手が、実演してホームランを打つことは、子どもたちへの何よりの指導。ましてや、2009年のワールドシリーズMVP選手が、目の前でスイングする迫力を目の当たりにする、そして打球音を聞く体験はどんな指導よりも効果的だ。メジャーリーガーの「すごさ」を実感できる機会は、かけがえのない時間だ。
「(子どもたちは)最初はシャイで全然しゃべらないんですけど、最後は打ち解けて、すごいいい感じになりましたね」
毎年、日米で数回の野球教室を開催している松井氏。引退後も野球界への貢献は続く。
