【独自】「マイクのようになれ」主砲トラウトの背中に学ぶ若手たち

April 16th, 2026

マイク・トラウトが絶好調だ。

ヤンキースとのシリーズ4連戦で、4戦連続で5本塁打とブロンクスに連日大きなアーチを描いた。

ますシリーズ初戦で2打席連続本塁打を記録すると、第2戦では前夜から続き3打席連続アーチ。さらに第3戦、4戦でも一発を放ち、4試合連続本塁打をマークした。ここ数年、度重なる負傷に苦しんできたが、今季は健康で不安なく試合に臨み、打撃フォームの微調整も好調を後押ししている。

同シリーズでは、トラウトは5本塁打、ヤンキース主将のアーロン・ジャッジは4本塁打と、両チームの主砲が豪快な一発を量産し、球場を大いに沸かせた。

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カート・スズキ監督は「2人のああいうプレーは、試合というよりショーという感じだね。ジャッジは本当に素晴らしい才能の持ち主で、キャプテンとしても信じられない選手。マイク(トラウト)も自分のプレーを貫いている。見ていて本当に楽しい。マイクとは数年間ともにプレーしたけれど、今、こうして監督として見られるのは特別なことだよ」と楽しそうに話す。

第3戦では初回にジャッジが先制ソロを放つと、五回にトラウトも負けじと2ランでお返し。奇遇にもその2本は右翼席へ。飛距離はジャッジが382フィート(116.4メートル)、トラウトが383フィート(116.7メートル)で、30センチ差でトラウトに軍配が上がった。

「ほぼ同じ場所に飛ばしたよね。マイクは2ランで、お互いに張り合っているみたいでおもしろかった」と指揮官は笑う。

さらに第4戦でもジャッジが初回に2試合連続アーチを打つと、トラウトも七回に4試合連続となる136メートルの豪快なアーチを左翼席に叩き込み、球界を代表するスター選手が華やかに火花を散らした。

今季メジャー15年目で34歳のトラウトは、グラウンドではもちろん、オフでもリーダーとしてチームを支えている。

「若い選手たちをよく助けている。若手にとって彼は本当にいい手本だ。日々どう準備しているか、どう取り組んでいるか。それを見て学べるからね。マイケル・ジョーダンの“Be Like Mike”みたいな感じで、『マイクのようになれ』って若手には思っている。彼の姿勢は周りにも伝わるし、チームを活気づけている」と指揮官はトラウトを絶賛する。

ショートのザック・ネトも、主砲から多くを学ぶ一人だ。

「リーダーで、とても努力家で、他の選手を自分と同じように良くしようとしてくれる。僕自身も何度かマイクに自分のスイングについて質問するけれど、時間を作ってちゃんと見てくれるんだ。意見をくれて、別の視点を与えてくれる。そういうところがすごいなって思う」

ネトは2023年、22歳でメジャーに昇格し、今季で4年目。初めてエンゼルスのクラブハウスに足を踏み入れた際には、「トラウトと大谷の二人の存在が巨大で、僕は隅で小さくなっています」と、初々しいコメントをしていたが、「すっごく緊張していたんだ。若かったからね」と当時を思い出し、笑みがこぼれた。

それから4年、同じ空間で時間を過ごし、トラウトとも確かな関係性を築き上げてきた。

今春のキャンプで、ネトは打撃で試行錯誤を続けていた。悩んだ末、主砲トラウトに助言を求めると、練習後、トラウトは、今春と昨季の打撃映像を見返す時間を設けてくれた。

「早く帰って子供と過ごしたかったはずなのに、自分のために時間を割いてくれたんだ」とネトは振り返る。

動画を見ただけで終わらないのがトラウトだ。その数日後、主砲は映像を再度、確認したうえで、フォームの違いや改善点など、自身が気づいたポイントを整理し、「今後のプラン」をネトに手渡した。

「完璧だった。それを打撃コーチたちとも共有して話し合った」

ネトは感激した様子でそう語り、こう続けた。

「そういう小さな積み重ねが、他の選手との違いなんだと思う。やらなくてもいいことなのに、他人のためにやってくれるんだ」

「ミスをした時も、一番に声をかけてくれて、『大丈夫だ。そのまま続ければいい』と言ってくれる。いつも“プロセスを信じろ”って言ってくれる」とネトは続ける。

助けを求めてきた若手の力になりたい。そんな純粋な姿勢がトラウトからは強くにじむ。

ネトは、エンゼルスで年数を重ね、入れ替わりの多いチーム内で気づけば古株の一人になった。自分がトラウトから受け取った助言やサポートを、今度は新しく加入してきた選手たちに還元できるように努めている。スペイン語も話すネトは、英語がまだ堪能ではないラテン選手との橋渡し役としても最適だろう。

ネトだけではない。主砲の姿勢は他の選手にも確実に受け継がれているはずだ。

「Be like Mike(マイクのように)」

トラウトが築き上げたクラブハウスの文化はチームに確実に広がり、受け継がれていく。