カブス、ハップのサヨナラ打でシリーズ勝ち越し

サヨナラを呼び込んだ細部へのこだわり

June 15th, 2025

カブス3X-2パイレーツ】シカゴ/リグレー・フィールド

2-2で迎えた延長十回、イアン・ハップがパイレーツのベドナーに対して、ライトへの適時打をマークしカブスが本拠地でサヨナラ勝利。直前の守備で、二塁手のニコ・ホーナーがダイビングキャッチで得点を阻止した勢いを見事に生かした。

「今日は勝利につながるプレーがいくつもあった。すべてのプレーに意味があるということを示す良い機会になったはずだ。一つ一つの局面で優位に立つことが結果を大きく左右する」とカブスのクレイグ・カウンセル監督はチームを称えた。

ナ・リーグ中地区の首位を走るカブスは、今季得点力の高い打線に支えられてきたが、それも、投手力・守備力・走力といった土台がしっかりしているからこそ。多様な勝ち方を実現できる戦力を揃えており、このシリーズでもそれを証明してみせた。

パイレーツとの4連戦を3勝1敗で終えたが、うち2試合が延長戦とタフな戦いが続いた。この日も、初回にそれぞれ得点をあげるもその後はサヨナラ打まで両者無得点の膠着した試合となった。

「今年のリグレーは得点の入りづらい環境だ。だからこそどうにかして、勝ちを掴めるようなプレーをしなくてはならない」とハップも語る。

カブスにチャンスが訪れたのは、ホーナーのファインプレーの直後だった。

「素晴らしいプレーだったけど、彼なら驚きじゃないよ」とハップも称える。

サヨナラの背景にはカウンセル監督の采配と戦略が光った。休養のため先発を外れていたカイル・タッカーをリース・マグワイアの代打として送るとパイレーツは申告敬遠を選択。これに対して、カウンセル監督は「思い描いていた通りの展開」とコメントした。

その後、打席に立ったのはジョン・バーティ。パイレーツのバントシフトに対して、バーティはカーブを振りに行き相手を牽制する。

「彼らは三塁でアウトを取ろうとしていた。だから、バーティがスイングするよう指示されていたし、正しい判断だった」とカウンセル監督は説明した。

その後、次の投球で二塁走者のブルハン、一塁のタッカーによるダブルスチールが成功。無死二、三塁と絶好のチャンスを作った。

「ブルハンにとって、簡単なプレーじゃなかった。あの場面で三塁を奪う自信を持っているのは大きい。犠牲フライでも点がとれる状況を作ってくれたし、ダブルプレーの選択肢も削れるからね」とハップは語る。

「最初のスプリットは下に真っ直ぐ落ちたけど、次はカット気味だった。彼のスプリットは様々な動きをするし、しっかりスピードもある。高めの球を狙っていた」と殊勲の一打を振り返った。

狙い通り、次のスプリットがやや浮いたところを見逃さなった。ライト方向へ見事に捉え、ベテランが勝負強さを見せた。

カブスはこれで43勝28敗で、ナ・リーグ中地区首位を快走。一つ一つのプレーに宿る勝利へのこだわりが彼らを支えている。明日からは、ゲーム差6.5で同地区3位につけるカージナルスとの4連戦となる。