52歳のイチローが、今年も東京ドームのマウンドに立った。5つの球種を織り交ぜ、最速136キロ。女子高校生たちのバットを次々と空に切らせた。
イチローが全力で女子高校生に向き合うのには、理由がある。
女子野球の普及だ。
MLBの最新ニュースを見逃さない!
- 【毎週日本時間金曜配信】日本語版ニュースレターに登録
- 【自分のスタイルでMLBを楽しむ】日本語公式アプリをダウンロード
- 【2026年より開設!】MLB Japan公式Youtubeチャンネル
2021年から始まった高校野球女子選抜 vs イチロー選抜 KOBE CHIBENが13日、東京ドームで行われ、KOBE CHIBENが高校野球女子選抜に7-0で勝利した。6回目の対戦で6年連続の勝利。イチローも6年連続で完投した。
「1番・投手」で先発したイチローは、9回127球を投げて5安打17奪三振の完封。最速136キロの速球にツーシーム、シンカー、スライダー、カーブを織り交ぜ、女子選抜打線を抑え込んだ。
初回、神戸弘陵の福田凛に初球をセンター前へ運ばれたが、その後は三振を重ねた。二回には3者連続三振。最後まで一人で投げ切った。
打っても5打数2安打。52歳のレジェンドが、投打で存在感を示した。
KOBE CHIBENでは、松井秀喜が「4番・三塁」で4打数2安打1打点1四球。三回の満塁ではカーブをバットの先で捉え、左前へ落とす技ありのタイムリーを放ち、守備でも魅せた。松井稼頭央も「2番・遊撃」で4打数2安打1打点1四球と活躍した。
一方、女子選抜ではイチローから3安打の福田が躍動した。
先頭打者として初球をセンター前へ弾き返すと、すぐに二盗を決めたほか、イチローから3安打。試合後にイチローからそのスター性を評価されると、福田は涙を浮かべながら喜びを語った。
52歳の体には負担も大きい。それでも本人は女子野球の普及のために全力で試合に挑む。
男子の高校野球は春のセンバツ、夏の甲子園と大きな注目を集める。一方、女子野球の知名度はまだ十分とはいえない。だからこそ、イチローはこの試合を続けている。自らマウンドに立ち、打席に入り、女子選手たちと真剣勝負を続ける。
イチローさんや元メジャーリーガー、そしてKOBE CHIBEN、女子野球の普及を願う人たちの後押しもあり、女子野球の人口は右肩上がりで、過去10年で約2倍に増えるなど、増加傾向にある。また、高校を中心にチーム数、部員数も増えている。2015年には約700人(19チーム)だった女子野球部も2025年には3000人近く、約60チーム以上まで拡大している。
2021年大会でイチローと対戦した野愛友利は今夏から始まった米国で始まったWPBL(女子野球リーグ)でプレーし、日本の女子野球から世界へと舞台を広げている。
東京ドームには2万5000人を超えるファンが集まった。女子野球にスポットライトを当てるという大会の目的は、少しずつ大きな輪になっている。
イチローは、女子野球をこれからも応援してほしいと呼びかけ、自分たちもできる限り力を尽くしていく思いを示した。
レジェンドが投げる一球一球が、女子選手たちにとっては目標であり、挑戦する舞台になる。
そしていつの日か、その壁を越える選手が現れることを、イチローは待っている。