「国を代表して戦うことの重みと楽しさを感じる。熱狂的な観客の前でプレーできるのは刺激的」
ロイヤルズの22歳、ジャック・カグリオーンが、来年開催されるワールドベースボールクラシック(WBC)でイタリア代表として出場する意向を表明した。イタリア代表はプールBに入り、米国、メキシコ、ブラジル、イギリスとの対戦が決まっている。
イタリア人の父をもつカグリオーンは、今年4月にはイタリア系アメリカ人野球財団(IABF)の公式アンバサダーに就任。イタリア系アメリカ人選手と国際野球コミュニティとの架け橋として活動し、両国の野球少年少女との交流や奨学金の支援、育成プログラムなどにも関わっており、イタリアに馴染みが深い。
フロリダ大学では二刀流選手としてもプレー経験のあるカグリオーンは、今季6月3日に打力を期待されてメジャー昇格。62試合で7本塁打、打率.157、OPS.532だった。
22歳はMLB Networkの取材に対し、「肩の力を抜いて、一歩ずつ進むことを意識している。最高峰の舞台でプレーできることを楽しんでいるし、クラブハウスでの仲間との時間も本当に特別」と振り返った。左太もものケガもあり、フルに戦うことはできなかったが、「メジャーでの2カ月半は素晴らしい経験でした。でもこれはまだスタートに過ぎない」と来季を見据えた。
ルーキーイヤーを支えてくれたのは、28歳のビニー・パスカンティーノ。「春季キャンプからずっと面倒をみてくれて、メジャーリーガーとしてどう振る舞うかを教えてくれた。冗談が好きで、何事もあまり深刻に受け止めない性格からもたくさん学んだ。素晴らしいメンター(師匠、お手本)なので、とても感謝している」と話す。その兄貴分のパスカンティーノも前回大会に続きイタリア代表として出場を表明しており、二人はWBCでも同じユニホームで共闘する。
大学野球の強豪、フロリダ大学出身で、若くしてメジャーリーグに駆け上がったカグリオーンが、WBCの舞台でもどのような存在感を示すのか、注目が集まる。今回の出場表明は、イタリア代表に大きな戦力補強になるだけでなく、カグリオーン自身にとっても国際舞台での経験を積む貴重な機会となるだろう。