復帰登板のタイオン好投でブルワーズに連勝

ポストシーズンに向けた「良いきっかけ」となるか

August 20th, 2025

カブス4-1ブルワーズ】シカゴ/リグレーフィールド、8月19日(日本時間20日)

打線が苦しむ中で、カブスを支えてきた先発陣に頼もしいベテランが帰ってきた。

負傷者リストから復帰したジェイムソン・タイオン(33)がブルワーズとのカード3戦、ダブルヘッダー2試合目に先発。チームを4−1の勝利に導き、ダブルヘッダースイープとなった。これでカブス先発陣の防御率は、オールスター後でMLBトップとなる3.10まで下がった。

「自分の仕事は試合に出てやらかさないこと。チームは素晴らしいプレーを見せているからね」と笑顔で振り返った。

6月29日の登板で右ふくらはぎを痛め、離脱していたタイオンは復帰初戦が地区首位のブルワーズ相手という大仕事。初回に2死から走者を2人背負い先制を許すも、そこからは立て直し6回92球4三振1失点という内容で、今季8勝目をあげた。

「復帰初戦は難しい、ただダブルヘッダーの2試合目だったから先発には長いイニングを投げてもらいたかった。そんな中で6回1失点を見せてくれたジェイモ(タイオン)はこれ以上ない仕事をしてくれた。体調も良いみたいだし、間違いなく勝利に大きく貢献してくれた」とクレイグ・カウンセル監督も絶賛した。

ブルワーズとはまだ7ゲーム差と厳しい戦いになることに変わりはないが、ベテラン右腕の復帰は大きく、地区優勝という目標を諦めたわけではない。確かに8月は9勝9敗と本来の姿ではないが、それでもナ・リーグのワイルドカード出場権争いはトップに位置している。

もう一人、そんなチームの明るい材料となっているのが、新人のオーウェン・ケイシーだ。ダブルヘッダー初戦は打線の主役となると、この2試合目でも二回に同点打を放つ活躍を披露した。

若手の存在が停滞気味だった打線に刺激を与えているのか、二回にはマイケル・ブッシュもタイムリーを放ち早々に逆転。五回にはニコ・ホーナーにも適時打が生まれ、今季無敗だったブルワーズのウッドラフを4回1/3で降板させた。なお、鈴木誠也は4打数無安打2三振と振るわず。打率は.247、OPS.811としている。

七回にはブルワーズが1死一、二塁のチャンスを作ったが、右翼手ウィリー・カストロがフライを捕球すると完璧な送球で本塁を狙ったブライス・トゥランを刺し、痛烈なダブルプレーでイニングを締めくくった。

「ウィル(カストロ)の送球は圧巻だった。こんなふうにメジャーリーガーには驚かされることがある。あれだけの距離から、ボールを完璧な位置に送球した。投げた瞬間にアウトだなって分かったよ。あれは、そういったレベルの送球だった」とカウンセル監督も称えた。

このプレーの時、タイオンはちょうど試合後のルーティンの最中だったという。

「小さい子どもみたいに叫んでたよ。あれは大きなプレーだったし、特にリグレー(フィールド)でのああいったプレーは流れを呼ぶし、試合の展開を変えてしまうのを体感する」

カブスは、このダブルヘッダースイープが、これから先ポストシーズンまで続く、長く厳しい争いに勢いをもたらすものになると信じている。

「地区優勝ができるかどうかに関わらず、これからは一勝一勝が大きな意味を持つことになる。ブルワーズのことを考えすぎたくはないんだ。滅多にないほどの快進撃をしているからね。でも、だからこそそれだけのチームと、素晴らしい投手相手に1日で2勝できたことの意味は大きい。これを良いきっかけにしていきたい」