大型契約でメッツに移籍したファン・ソトが打撃不振で苦しんでいる。
2018年にメジャー昇格してからは、平均打率.282、209本塁打、平均OPS.944の一方、今季はここまで打率.241、8本塁打、OPS.792とやや物足りない。
開幕から好スタートを切ったチームも5月はここまで10勝11敗と低迷し、直近10試合も4勝6敗と負け越している。4月はチーム打率.255(リーグ8位)、OPS.753(同7位)だったが、5月は.246(同17位)、OPS.726(13位)まで落ち込んだ。数字からもわかるようにチーム全体が打撃不振だが、矛先はソトにも向いた。
「(メディアやファンの声は)目に入れないようにし、自分たちのやるべきことに集中している。今はただ、前を向いて戦うだけ」
少しうつむき、自分に言い聞かせるように話した。
ドジャース第2戦では、スランプ脱却の兆しとなるような一振りがあった。
1点を追いかける四回、2死満塁で2番スターリング・マルテの内野安打で同点に。
さらに満塁で3番ソトを迎えた。
ドジャース先発ゴンソリンのスプリットをすくいあげる。打球は左中間フェンス直撃し、2点タイムリー2塁打でチームに勝ち越し点をもたらした。
これまで何度も鋭い当たりが相手野手に阻まれてきた。この一本は5月9日以来、13試合ぶりの長打で、「打った瞬間は『頼むから捕らないでくれ』って思ってた(笑)。あそこまで飛ぶとは思わなかったから自分でもびっくりした。ようやく一本が抜けてくれたのは本当にいい気分だった」と安堵の表情を見せた。
イニングが変わって守備についたソトを観客の大きな拍手での出迎えにも「気づかなかった。守備に集中してたから」と照れ笑いした。
八回途中まで5安打2失点の好投を見せた先発ピーターソンは、「(ソトは)毎日一生懸命やっているから、結果が出て嬉しいし、チーム全体が彼を信じている」と、遊撃手のリンドアは「今日のソトは5打点あってもおかしくなかった。グランドスラムもホームランもあったけど、風が押し戻したんだ」と興奮気味に話した。
メッツのキャプテン的な存在のリンドアも過去に打撃不振でメディアやファンから叩かれた経験を持つ。ここぞという時で一発が出ず、ブーイングを受けたこともある。
「(スランプなど)そういう時は周りの人を頼っていいと思うんだ。話を聞いてもらったり、時間が解決してくれることもある。良い日も悪い日もあるけど、山を一歩ずつ登っていくことが大事だ。良い日が続くわけじゃない。だからこそ平常心を保つことがシーズンを乗り切る鍵になる」と過去の経験からのアドバイスを語った。
ソトはチームメイトとの不仲が噂されたこともあったが、リンドアはきっぱり否定し、こう続けた。
「今季からチームに入ってきた選手たちが『自分のチーム』だと感じられるように僕は全力を尽くす。得意なこと、苦手なこと、好きなこと、嫌なこと、オフのことも少しずつ知る努力をして、一緒に勝つために必要な存在だと伝えられるようにするのが自分の役目。僕はこういう(キャプテンのような)役回りが大好きなんだ」
今日、待望の一打を放ったソトが、これを機に壁を乗り越えるのか。チームメイトたちは苦しみながらも努力を続けるソトを温かく見守り、時に背中を押しながらシーズンを戦っていく。