【速報】カブス退団のマエケン、ヤンキースとマイナー契約

カブスのマイナー契約を破棄(オプトアウト)

August 3rd, 2025

カブスのマイナー傘下3Aアイオワに所属している前田健太(37)がオプトアウト(契約破棄条項)の権利を行使。48時間以内にカブスがメジャー40人枠に入れる措置を取らなかったため契約を解除され、フリーエージェント(FA)になった。2日(日本時間3日)、アイオワ・カブスが発表した。FAになった前田はヤンキースとマイナー契約に合意したことが3日(同4日)、米球界関係者の話で明らかになった。身体検査や事務手続きに問題がなければ、近日中に発表される。

前田は5月7日にタイガースからメジャー40人枠を外れる措置(DFA)となり、同17日にカブスとマイナー契約を結び、3Aアイオワで先発ローテーションを務めていた。5月は崩れた投球フォームが影響し、コントロールに苦戦。6月からは徐々に投球内容は改善。6月は1勝2敗、防御率3.18、7月は2勝1敗で同4.03だった。直近の2先発では7月23日のルイビル(レッズ傘下)戦で6回1安打無失点、同29日のインディアナポリス(パイレーツ傘下)戦6回4安打1失点と好投。2021年に右肘の靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けて以降、フォーシームの最速となる94.2マイル(151.6キロ)をマークするなどスピードも戻った。7先発連続で5イニング以上を投げるなど先発投手としてのゲームメーク能力も復活しつつある。

カブスは右ふくらはぎを負傷していた先発右腕、ジェームス・タイヨン(33)がメジャー復帰間近。左脇腹を痛め開幕からIL入りしているハビアー・アサッド(28)もマイナーでのリハビリ登板を再開するメドが立った。そのため、マイナー契約の前田が調子を上げてもメジャーの投手13枠に入るのは困難と判断しオプトアウトすることを決断。カブス以外の他球団でメジャー昇格のチャンスを探し始めた矢先、ヤンキースからマイナー契約ながら正式オファーが届いた。

ヤンキースは前田がタイガースを退団後にもマイナー契約をオファー。メジャー9シーズンの実績を評価していた。ヤンキースには先発投手の頭数が足りないチーム事情がある。エース右腕、コールは右肘の手術を受け、復帰は来季。昨季15勝右腕のヒルは、右広背筋を痛め開幕からIL入り。3日(日本時間4日)のマーリンズ戦(マイアミ)で復帰登板を果たすが、負傷明けのため今後の起用は慎重だ。4勝(4敗)を挙げ、防御率3.32と安定していたシュミットは右前腕の張りで60日間ILに入っている。24歳のシュリットラーは7月にメジャーデビューしたばかりで今後の活躍は未知数だ。ストローマンをDFAにするなど、右投げの先発投手が不足している事情から、マイナーで状態を上げ、内容と結果を示していた前田の獲得に踏み切ったようだ。

カブスの3Aアイオワでは崩れた投球フォームを修正。タイガース時代は、チームの指示もあり、スイーパーを多投した影響で体が横ぶりの投球フォームになっていた。本来、体を縦ぶりで使う前田は、横ぶりの癖がついたことで直球が指にしっかりとかからず、球速低下につながっていた。本来あるべき縦ぶりフォームに矯正したことで球威が戻った。

地道にフォーム修正に取り組んだ効果が、メジャー復帰に可能性をもたらした。前田は近日中にヤンキース傘下3Aスクラントンのチーム本隊に合流し、先発としての調整を再開する。マエケンは自らの力で今季中のメジャー返り咲きに望みをつなぐ。