【一問一答】マエケン、八回途中までノーヒットの好投

「メジャーリーグに上がりたい。諦めたわけではない」

September 4th, 2025

ウースター1−5スクラントン】ウースター/ポラーパーク、9月3日(日本時間4日)

ヤンキース傘下3Aスクラントンに所属する前田健太(37)が八回2死までノーヒットノーランの好投。7回2/3で100球を投げ、1安打1失点、1四球、9三振で5勝目を挙げた(6敗)。最速は94.1マイル(151.4キロ)。試合後、日本メディアに対応した主な一問一答は以下。

――八回途中まで投げ、ナイスピッチングだった

「よかったですね。前回の登板があまり良くなかった(3回11安打10失点)ので、しっかり修正して投げることができました」

――最近の調子はどうだったのか

「前回だけ良くなかったんで、これまでしばらくずっといい感覚が続いていた。そんなに前回の登板を引きずらずにいつも通りの感じで投げられたと思います。特別、すごく調子良かったかと言ったら、そういうわけでもないんですけど、普通に投げられたと思います」

――球数的にもノーヒットノーランが狙える雰囲気だった

「いや、あんまり考えてないですね。球数制限とかもありますし、全然(九回の投球へ)行こうとは思ってなかったんですけど。あんまり球数とか(場内の掲示板に)表示されないので、自分が何球かあんまり分かっていなかった。いいリズムで投げることができていたので、しっかり長いイニングを投げたいなと思って、マウンドに上がっていました」

――八回2死で監督がマウンドへ、どんなやり取りが

「七回を終わった時に球数制限があるので、それを無視してまでノーヒットノーランにこだわりたいか、球数制限(100球未満)、決まった制限で終わるかどうする?みたいな(ことを聞かれた)。僕は球数制限で終わる選択をした。球数制限を超えるんだったら(ヤンキースの)フロントに電話して、(続投していいか)確認しなきゃいけないみたいな、ニューヨーク(にいる球団幹部)に。マイナーでノーヒットノーランを達成しても、次の登板もある。決まっている球数で終わりでいいよって話した。たぶん2人終わったところ(八回2死の時点)で終わりだったんですよ(95球)。監督がマウンドにきて、球数制限でこれで終わりなんだけど、どうする?みたいな。そしたらあと1人、あと4球ぐらい行けるって言われたんですけど、3球ボール(カウント3ボール、ノーストライク)投げちゃったんで、終わった、と思って(笑)。でもあのバッターで終わりって決まっていたので、フォアボールを出して終わっても面白くないっていうか、申し訳ないと思った。ストライクを取りに行ったらホームランうたれちゃいました」

――それがちょうど100球目。打たれた瞬間、長打と思ったか

「もちろん打たれた瞬間ホームランだと思いました。でも最後のバッターと決まっていたんで3ボールにした瞬間にフォアボールだけはダメだなと思ってストライクゾーンでに投げたんですけど、甘いボールがいってしまいました」

――残り試合も少なくなった中でどのように過ごすか

「とにかくいい結果を出し続けるしかないと思います。自分が納得できるようにピッチングを続けていきたいです。打たれるのは悔しいので、いいピッチングを続けていきたいなと思いますし、僕個人だけじゃなくて、今チームは優勝を争っているので、せっかくこうやってローテーションで投げさせてもらっていますし、投げる試合はしっかりチームに貢献できるように頑張りたいと思います」

――今この段階でのこの状況でのモチベーションは

「投げる試合は勝ちたい、打たれたくない、抑えたい。いいピッチングをしたいのは、どこで投げても変わらない。モチベーションは正直、小学生の時も中学生の時、高校もプロもメジャーもマイナーもそうですけど、とにかく打たれたくない、勝ちたいっていう思いで毎試合投げる。そこに関しての気持ちは正直、全く変わることはないです。モチベーションが下がることもないです」

――ここ数日で来季の日本球界復帰への意思が公になったことで投球に影響したか

「そこは変わらないんですけど、ダメだったらダメだってまたいろいろ(周囲から)言われるから、いいピッチングしたいなと思いました。ただこうやって今、僕はこのチームにずっといたわけじゃないんですけど、チームは勝たないといけない状況なので(シーズン)途中から来ましたし、経験もあるので、投げる試合でね、あんまり変なピッチングするとチームに迷惑がかかる。マイナーリーグスタッフとか監督、コーチとか若い選手はやっぱりマイナーのプレーオフとか優勝もね、すごい貴重な経験になると思うし、目指していると思う。そこのね、邪魔になるようなというか。先発で回らせてもらってるので、このチームを勝利に導くっていうのは一つ大切にしている」

――八回途中までノーヒットを受けてチームメートのリアクションは

「みんなすごい喜んでくれましたね。みんなはだぶんノーヒットノーラン行ってくれ、みたいな感じだった。たぶん球数の事情とか(他のチームメートは)そこまで把握してない。狙ってほしかった、とは思うんですけど」

――敵地のファンが八回2死で監督がマウンドに行った際にはノーヒットなのに交代かもしれない、とブーイングが出た(敵地のファンも続投を期待していた)

「面白かったですね。(マウンド)降りる時にすごく拍手をもらって、うれしかったですね」

――今思い描いている一番理想の今シーズンの締めくくり方は

「それはメジャーリーグに上がりたいです。別にそこは諦めたわけではないですし、そこへのモチベーションを失ってるわけではないので。ただ自分でコントロールできるものではない。僕もメジャーリーグに長くいて、マイナーで結果を残したから、メジャー(昇格できる)っていう簡単なものでもないと理解している。もちろん上がれること、ヤンキースのユニフォームを着られるってことは目標にはしますけど、そこばっかりにとらわれると、メジャー組への不幸を願ってしまったりとか、ケガ人が出ないと(メジャーの枠が空かない)とか、いろんな状況が重ならないとチャンスはなかなかないと思う。そこばっかりを目標にすると、自分を高めるというよりも、(メジャー契約の選手に負傷離脱が出るなどの)不幸を願うような毎日が続く。そうじゃなくて、自分を高めることが大切。その結果、(メジャーに)上がれればうれしいなっていうだけで、ただ自分が頑張って上がれなくてもなんだよクソとは思わないですね。とにかく自分を高めることに集中したい、と思っています」