ゴーズマンの7回1失点で首位攻防、ヤンキースに先勝

“エース”誕生でホーム11連勝

July 22nd, 2025

ブルージェイズ4-1ヤンキース】トロント/ロジャース・センター、7月21日(日本時間22日)

ポストシーズンを予感させる一戦となった。

節目となるシーズン100試合目を迎えたブルージェイズは、同地区ライバルのヤンキースとのホーム3連戦。3ゲーム差をつけて迎えた首位攻防戦の初戦を制した。これでホーム11連勝を達成し、59勝41敗。今季最大のサプライズと言っても過言ではない。

信頼できる先発陣がそろうも、抜きん出た存在がいない中でエースに名乗りを上げるかのような投球を見せたのがケビン・ゴーズマン。86球を投げ、7回4安打1失点8三振で、強力打線を封じた。唯一の失点は四回、ジャンカルロ・スタントンに許したソロのみだった。

7月31日のトレード期限が迫る中で、ブルージェイズが考えるのは『どこまでいけるか』だ。今季はポストシーズンを狙う、願ってもないチャンスで、大胆な決断を下しても不思議ではない。

チームとしての土台はしっかりしており、中途半端な補強は不要。獲得するのであれば、ポストシーズンの初戦を任せられるようなエース級の先発投手だろう。ただ、それが叶わなくても大丈夫。この日のゴーズマンは、そんな安心感を与えてくれるような投球を披露した。

「素晴らしかった。彼ならいつもあれくらいの投球ができると期待してしまうね。調子がよさそうだったし、見ていて楽しかった」と先制の2点二塁打を放ったボー・ビシェットは称える。

ヤンキースに勝つには、アーロン・ジャッジへの対策は不可欠。一振りで流れを変えてしまうスラッガーに対して申告敬遠もありながら、ゴーズマンは三振とキャッチャーフライで見事に打ち取った。

【ゴーズマンvsジャッジ】第1打席:三振

打者を迷わせることにおいて、ゴーズマンの右に出るものはそうそういない。特に直球とスプリットの組み合わせはどんな打者に対しても強力だ。

初回、カウント2-0から2つの直球で2-2に戻した。もちろん理想は、先に2ストライクを奪うこと。しかし、非常に似た軌道から、手元で全く違う動きをする2球種を持つゴーズマンに対して追い込まれると、ジャッジですら難しい戦いを強いられる。

勝負球はスプリット。見事に三振を奪い、本拠地のファンを大いに沸かせた。

【ゴーズマンvsジャッジ】第3打席:補飛

第2打席の申告敬遠を挟んで迎えたこの打席は、まさにゴーズマンの真骨頂と言えるような内容だった。

再びカウント2-2から、今度は文字通りの直球勝負。4球連続で真っすぐを投じ、全てが96マイル(154キロ)を超える、力強さを発揮した。

「まさに一対一の勝負という感じだった。打たれたら確実に得点される場面だったから、自分のベストの直球を投げようとした。彼(ジャッジ)との対戦成績はあまり良くなくて、かなり打たれている。もちろん三振も何度か取っているけど、彼が2度のMVPに輝いているのには理由があるよ」

直球を投げれば投げるほど、スプリットの脅威は増す。この打席の9球目にようやく投じられたそのスプリットでジャッジをキャッチャーフライに仕留めた。

まさにエース級の輝きを放ったゴーズマン。この投球を続けることができれば、ブルージェイズがポストシーズンで描く夢は広がっていくだろう。