<メッツ3−0カージナルス>
メッツの千賀滉大(32)はカージナルス戦で4度目の先発に臨み、5回2/3を投げ3安打無失点の好投で3勝目(1敗)を挙げた。3四死球、4三振、最速は97.4マイル(156.7キロ)、球数は89球だった。メッツは2連勝でナ・リーグ東地区1位をキープしている。なお、千賀は防御率0.79とし、ドジャースの山本由伸(26)を抜き、暫定でナ・リーグ1位に立った。
強力カージナルス打線を圧倒した。3安打されるが、いずれも打球はハードヒット(打球初速95マイル=153キロ)の基準値を超えていない。ヒットに限らず、試合を通して痛打を許さなかった。気温が一気に28度まで上昇したニューヨーク。千賀の調子も上がってきた。
「全体的に(ストライク)ゾーンの中にたくさん投げられたということは、良かったかなと思います。やっぱり自分の感覚がまだなこと(よくない感覚)もあるので、もう少し(状態を)上げていけたら」
一回先頭。ヌートーバーは、ヘルメットのひさしに手を当て、挨拶。千賀も左手のグラブをかざして、応えた。代理人が同じワッサーマンなど共通点があり、親交もある2人。ショートフライに打ち取り、スコアボードに0を並べ続けた。「(対決は)僕も楽しみにしていましたし、彼自身好調なので、どうにか抑えていけたらなという中で1度、塁に出しましたけどそれなりにいい対戦になった」。初対戦は2打数無安打1四球だった。カージナルス打線は試合前時点でチーム打率.270でナ・リーグ2位。1番から5番までの上位打線は11打数1安打、3四死球で長打を打たせなかった。
この日で今季4登板。22回2/3を投げ、防御率0.79となり、山本の同0.93を上回った。メンドーサ監督も「彼はケガなく、調子が良ければベスト・オブ・ベストの投手だ」とほめたたえた。千賀は良化した防御率について「数字は一瞬でやられる世界なので、今どうこう(思うことはない)。これで(シーズンが)終わりだったらいいんですけけど、そんなに思うところない。とにかく投げた試合でしっかり勝てるように、1点でも少なくマウンドを降りるのが大事なこと」。二回1死二、三塁、五回無死三塁のピンチはいずれも無失点で切り抜けた。「いいところで守備が守ってくれた」とバックに感謝した。
「たくさん投げていく中で自分の感覚との違いも学習できると思う。とにかくケガなく投げることが今は一番大事」
昨季は複数の負傷でレギュラーシーズンは1登板のみ。メッツの2015年以来、10年ぶりの地区優勝、そして1986年以来のワールドシリーズ制覇へ千賀は先発投手の中心として投げ続けることが求められる。
