千賀滉大、好投で7勝目も負傷交代、IL入りへ

5回2/3を投げ、1安打無失点、防御率1.47

June 12th, 2025

メッツの千賀滉大(32)が中5日で13度目の先発に臨み、好投したが右太もも裏を痛め、緊急降板した。5回2/3で77球を投げ、1安打無失点で7勝目(3敗)を挙げた。防御率1.47はナ・リーグ1位をキープしたが、戦線離脱が確実となった。メッツはマクニールの7号先制3ラン、ニモの13号ソロなどで加点。6連勝で勝率.652は、メジャー30球団トップとなっている。

悪夢の瞬間だった。六回1死。千賀はエイブラズムの一ゴロでベースカバーに走った。一、二塁間で捕球したアロンソからの送球が高めにそれ、右足で踏み切って、ジャンプ。着地と同時にベースを踏み、アウト。しかし、右太ももの裏を抑えながら、ファウルゾーンで転がるように倒れ込んだ。トレーナーらが駆けつけ、投球は続行不可能で降板。自力で三塁側ダッグアウト裏へ歩いたが、長期離脱が確実となった。

「あす検査を受け、IL(負傷者リスト)に入る。(千賀とは)先ほど話したが、もちろんフラストレーションは感じている。ただ、私は彼に『戻ってきたときには、また重要な存在になる』と伝えた。まず検査結果を待って、状況を把握し、それから今後を考える。千賀は競争心のある選手だし、またケガをしたことは辛いけれど、必ず戻ってくるはずだ」

試合後、メンドーサ監督は離脱を明言した。試合は、4点リードから最終回に1点差まで追い上げられるも勝利。クラブハウスは6連勝の喜びの一方でエースを長期離脱で失うショックが同居した。メンドーサ監督によれば、千賀はベースカバーに走り、アロンソからの送球を捕るためにジャンプをする手前で患部に異変を感じたという。

復帰までの見込みは、カブスの今永昇太(31)のケースが近い。5月5日に左太もも裏を痛め、IL入り。一塁ベースカバーに走った際に患部に痛みを生じていた。今永の場合、比較的軽い症状とされているが、現時点で1カ月半、メジャーマウンドから遠ざかっている。球団が慎重を期す方針もあるが、復帰は今月下旬が見込まれている。2カ月弱の離脱期間ということだ。千賀の場合も今永と同等か、それ以上の離脱が予想される。

「チームは彼のために心を痛めているけど、他のチームがこちらに同情してくれるわけではない。今プレーできる選手たちが立ち上がって前に進むだけ。そして千賀もその一員だ」とメンドーサ監督。13日からは、交流戦でレイズ3連戦を戦う。その後は、同地区のブレーブスと2週間でホーム&ビジターで7試合、フィリーズと敵地で3連戦など17日から13連戦が控える。

6連勝でナ・リーグ東地区2位のフィリーズに5.5ゲーム差をつけた。2015年以来、10年ぶりの地区優勝へ快調な前半戦を送っているメッツ。千賀は優勝争いが終盤を迎える夏の終わりごろ、ポストシーズンを戦う秋までに復帰することが期待される。