メジャーリーグにも「連帯責任」ルール!?

野手の遅延で投手がピッチクロック違反に

May 17th, 2025

5月13日(火)のメッツとパイレーツ戦で珍しい「ピッチクロック違反」があった。

六回のパイレーツ攻撃の場面で、メッツ先発の千賀滉大(32)投球練習を終えて投球動作に入ろうとしたところで審判からタイムがかかり、投球前の千賀になぜか「ピッチクロック違反」の判定がされた。

「え?なぜ?」と千賀やメッツの選手たちはもちろん、観客にも困惑の表情が。審判は一塁手のアロンソが守備位置につくのが遅かったため、遅延行為とし、「連帯責任」で千賀のピッチクロック違反を与えたと説明した。

アロンソの遅延でワンボールを取られたものの、千賀は先頭のバートをセカンドフライに仕留め、ピッチクロック違反の影響をみせない投球だった。

メジャーリーグでは2023年から試合時間の短縮を目的に「ピッチクロック」を導入し、現行ルールでは、投手は走者無しの場面では15秒、走者がいる場合は18秒の投球タイマーが切れる前に投球動作を開始しなければならない。違反した場合、投手には自動的にボールが、打者が遅れた場合は自動的にストライクが宣告される。

ピッチクロック違反でボール判定を受け、四球を出したり、打者が打席に入るのが遅れて自動的に三振になるなど、試合に影響する判定もこの2年間でいくつか出ている。

また走者がファウルボールやほかのプレーの際にベースへの帰還を遅らせたり、ペースを乱す戦術をとった場合、審判は反則を宣告することができる。

アロンソは2023年にもマクニールのファールボールの後に一塁に「故意に遅く戻った」と判定され、打者のマクニールが自動ストライクの判定を受けた。(※リーグはその後、これを誤審とし、メッツに謝罪をしている)

だが今回のように野手の守備位置への遅れで、「連帯責任」になるのはとても珍しい。

今回、アロンソが守備につくのが遅くなった理由は明らかになっていないが、故意に遅らせたとは考えにくい。ベルトが切れた、ユニフォームが破れた、壊れたグラブ交換などの物理的な理由、ちょっとトイレが長くなってしまった(かもしれない)というような生理的な理由などが予想され、それで違反は気の毒な気もする。

ちなみに過去にはトイレの鍵が壊れ、閉じ込められた選手もいる。

2013年にレイズの抑え投手フェルナンド・ロドニーがアスレチックスのビジター用クラブハウスのトイレで、また2014年のカブスとカージナルスのプレーオフの試合で、カブスの中継ぎ投手、ヘクター・ロンドンも敵地ブルペンのトイレから出られなくなった。当時はまだピッチクロックが導入されていなかったが、今後、もし似たようなことがあった場合、審判がどう判断するのかちょっと気になるところだ。

ドジャースの右腕カスパリウスに投手側の意見を聞くと、「チームスポーツなので、連帯責任になるのは仕方がない。ルールあってのスポーツだからね。でも生理的な理由の場合はもうちょっと柔軟性があってもいいよね」と苦笑いしながら教えてくれた。おそらく全選手が同じ意見だろう。

故意か否か、物理的か生理的問題か。理由はともあれ、試合時間短縮のために塁間やイニング間の移動は常に駆け足で対応するしかないようだ。