【エンゼルス1−12カブス】アナハイム/エンゼルスタジアム、8月23日(日本時間24日)
カイル・タッカーに必要だったのは、もしかするとエンゼルスタジアムへの遠征だったのかもしれない。
オールスター外野手は、キャリア最初の27試合以来となる25試合連続ノーホームランという自身最長の不振を経て、ここ24時間で2本目と3本目の本塁打を放った。これがきっかけとなり、カブスはエンゼルス戦で大勝した。
「これが野球というものだよ」とクレイグ・カウンセル監督は語った。
「誰もスランプなんて望んでいないし、スランプは嫌なものだ。精神的にもすごく疲れる。でも、それは必ず起こることだ。
カイルはこれを乗り越えることで、これからもっと良くなるはずだ。野球にはそういう部分があって、それを突破しなければならない。彼は素晴らしい選手だし、どうすれば修正できるかを必死に考え、また軌道に戻ろうと努力している。
チームには彼の力が必要で、そして彼はしっかり応えてくれている」
6月までに打率.291、出塁率.395、長打率.537、17本塁打、52打点を挙げて4年連続のオールスターに選出されたが、その後数字は急降下した。
タッカーは7月1日から8月18日までの間、右手に亀裂骨折を抱えながらプレーしており(つい最近明らかになった)、打率.189、出塁率.325、長打率.235に低迷。この週の前半には、精神的なリセットのため3試合連続で欠場していた。
「彼には精神的に数日間の休養が必要だった。肉体的な問題でもなければ、メカニカル(技術的)な問題でもなかった。選手としてその段階に来たら、数日間は試合を外から見て、結果を出すことを気にせず過ごす必要があるものだ」
カウンセル監督はそう説明した。
どうやらその効果は表れているようだ。タッカーが22日のエンゼルス戦で放った初回の本塁打は、8月初めての長打でもあった。
タッカーは23日の同戦も勢いを保った。初回に左レフトフライを打ち上げた際、自分のスイングのタイミングが遅れていると感じたため、次の打席では早めに始動しようと心に決めた。
その結果、エンゼルスの先発ビクター・メデロスの内角低めへのシンカーを捉え、スタットキャストの推定で399フィート(約122メートル)飛ばす2ランホームランを右中間スタンドに叩き込み、三回にカブスへ先制点をもたらした。
さらに六回、タッカーは再び魅せた。今度はリリーフのカーソン・フルマーが投じた甘いチェンジアップを逃さず、最初の本塁打とほぼ同じライト方向へ叩き込んだ。これが21号3ランとなり、カブスのリードは一気に10点差へと広がった。
「タイミングさえ合わせられれば。少しだけ早く始動して、準備を早めにできれば大丈夫だと思っていた。次の数打席ではそれを意識してみたら、うまくいった」
タッカーは本塁打を振り返った
それは球場とも関係があるのかもしれない。
タッカーは直近25試合のエンゼルス戦で長打率.839、11本塁打、26打点をマークしている。エンゼルスタジアムでは直近6試合のうち4試合で本塁打を放っている。さらにキャリア通算81試合のエンゼルス戦ではOPS1.030、27本塁打、69打点。ア・リーグ西地区のアストロズで7年間プレーした経験から、最も馴染み深い相手のひとつと言える。
タッカーに聞けば「どこで、誰と対戦しているかに関係なく、いい打席といいスイングを積み重ねることを心掛けているだけ」と答えるだろう。だが、この日キャリア最多タイとなる5打点を挙げた「9番・捕手」のリース・マグワイアは、少し違う視点を示した。ちなみにマグワイアは2024年4月7日、レッドソックスの一員としてエンゼルスタジアムで5打点を挙げている。
「たぶん西海岸の空気のおかげなんじゃないかな」とマグワイア。
「前回ここでいいシリーズを送れたことを覚えているし、野球選手にとって、ある球場で気分よくプレーできれば、そのシリーズ全体に自信を持てるものだ」
タッカーとマグワイアの2人で計10打点を叩き出し、さらに先発ケイド・ホートンが6回無失点、7奪三振の好投。カブスは全てがかみ合った。
8勝目(4敗)を挙げたホートンは、タッカーの復調を信じていた。
「本当に特別な試合だったよ。カイルはずっと努力を続けていたし、いずれは状況を好転させると分かっていた。こういうタイミングで結果を出せたのは素晴らしいことだ」