現在のフリーエージェント(FA)市場には、二塁転向に前向きな姿勢を示しているボー・ビシェットを除けば、それほど魅力的な二塁手は残っていない。そのため、二塁手の補強を目指すチームは、FA市場ではなく、トレード市場に目を向けるのが賢明だろう。実際、多くの有力な二塁手がトレード候補となっている。トレードの噂がある4人の二塁手について、それぞれの最新情報をチェックしていく。
ケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス)はトレード候補になっている二塁手の中で、間違いなく最高の選手だ。レッドソックス、ブルージェイズ、マリナーズ、フィリーズ、タイガース、レッズ、パイレーツ、ジャイアンツ、レイズなど、多くのチームから関心が寄せられていることが報じられている。
しかし、この中にはマルテがトレードを拒否できるチームも含まれている。ジ・アスレチックのケン・ローゼンタール記者によると、マルテは5球団へのトレード拒否権を有しており、その5球団はパイレーツ、ジャイアンツ、アスレチックス、ヤンキース、カージナルスだ。
なお、アリゾナ・リパブリックのニック・ピエコロ記者は今月に入り、ダイヤモンドバックスがレイズとのトレード交渉を行っていたことを報じている。その交渉では、ダイヤモンドバックスが獲得する交換要員に先発投手のライアン・ペピオとシェーン・バズが含まれていたようだ。
ジ・アスレチックのパトリック・ムーニー記者とサハデブ・シャルマ記者によると、ニコ・ホーナー(カブス)の名前がトレード候補として浮上しているという。
ゴールドグラブ賞2度の実績を誇るホーナーが実際にトレードされる可能性は低いものの、サンフランシスコ・クロニクルのスーザン・スラッサー記者は、ジャイアンツがホーナーに関心を示していることを報じている。ホーナーは2026年シーズン終了後にFAとなる予定。オークランド出身で、スタンフォード大学に通っていたため、北カリフォルニアにルーツを持つ選手であり、ジャイアンツは地元球団とも言える。
もしダイヤモンドバックスとレイズのトレードが成立した場合、ブランドン・ラウ(レイズ)がトレードされる可能性は大きく上昇するだろう。スラッサー記者によると、この31歳の二塁手にはジャイアンツが興味を示しているという。
また、ローゼンタール記者によると、アスレチックスも二塁手補強の選択肢としてラウ獲得を検討しているようだ。さらに、MLBネットワークのジョン・ポール・モロシ記者は先週、パイレーツがラウのトレードについてレイズと交渉を行ったことを報じた。ラウもホーナー同様、2026年シーズン終了後にFAとなる予定だ。
もう1人のトレード候補がブレンダン・ドノバン(カージナルス)だ。ジ・アスレチックのケイティ・ウー記者によると、ジャイアンツとマリナーズがドノバン獲得の最有力候補になっているという。また、セントルイス・ポスト・ディスパッチのデリック・グールド記者は先週、この2チームに加え、ロイヤルズとパイレーツもドノバン獲得に興味を示していることを報じた。
ドノバンは万能な左打者として知られており、今季はオールスター初選出。ボストン・グローブの報道によると、レッドソックスもカージナルスとトレード交渉を行ったようだ。なお、ジ・アスレチックの報道によると、カージナルスはあと2年保有できるドノバンの対価として、複数のトップ・プロスペクト(若手有望株)を獲得することを狙っているという。
FA市場での補強の選択肢が限られている以上、各球団は今後もトレードによる二塁手補強を模索していくはず。FAまで残り1年のホーナーとラウ、残り2年のドノバンだけでなく、マルテという大物もおり、今後もトレード市場の動向から目が離せない日々が続きそうだ。