吉田正尚、復帰戦でお見事3安打

July 10th, 2025

レッドソックス10−2ロッキーズ】ボストン/フェンウェイパーク

昨年10月に右肩の手術を受け、開幕から負傷者リスト(IL)に入っていたレッドソックスの吉田正尚(31)が、「6番・DH」で出場し、メジャー復帰した。昨年9月27日以来、285日ぶりの公式戦で4打数3安打1打点の活躍。最高の結果で2025年の“開幕”を迎えた。

鋭くコンパクトに振り抜いた。快音と同時にライナーの打球がセンターで弾んだ。吉田は一塁ベースに到達すると一塁側ダッグアウトのチームメートは大喜び。ヒットマシーンが、2025年最初の打席と試合で好結果を出した。

「やっぱり自分にとっては開幕戦みたいなスタートのゲームでしたので、少しちょっとフワフワじゃないですけれども、心拍数が上がっていたと思います」

チームの94試合目で迎えた今季初出場。吉田のメジャー3年目がスタートした。二回無死ではセンター前ヒット、四回1死三塁ではファーストミットを弾くタイムリーヒット。復帰後、即マルチ安打&初打点にも「結果としては良かったかなと思いますけどもう少し(打球に)角度をつけて長打を打っていかないと、これから自分の成長にはもう少し足りない」と厳しく自己採点した。

六回先頭ではセカンドゴロ、八回の先頭ではマイナー戦5試合の出場を通じて初めての長打。ライトポール近くに運ぶエンタイトル二塁打を放った。いきなりの3安打。昨年10月に受けた右肩手術は、春先に停滞した。リハビリを行なっていたフロリダ州の球団施設からボストンに戻り、炎症を緩和するコルチゾン注射を放った。リハビリは、やり直し。

「ちょっと先が見えなくなってしまったのでそこはちょっと(精神的に)堪えましたね」

再びフィールドに立てる日を信じていた。マイナー戦での調整は5試合のみ。それで十分だった。「体が問題なければ、こっち(メジャー)でいける自信はありました」。右肩は3月時点でスイングには問題なし。チーム事情で外野守備が求められ、3カ月遅れの開幕戦だった。

試合途中から雨の降るボストン、フェンウェイパーク。最愛の家族がスタンドから見守った。

「妻(ゆり香さん)も(出発のときに)送り出してくれましたし、きょうは家族も(球場に)来てましたし、子供たちも眠い中、応援してくれていたので、近くで一番見てくれていたので良かったです」

レッドソックスの外野手は過密状態。DHを含めた4つのポジションに6人がいる。この日、3安打した吉田も10日(日本時間11日)のレイズ戦のスタメンは確約されていない。

チームは今季最長タイの6連勝。直近9試合で8勝と波に乗る。7試合連続2桁安打で打線は活気付づいている。

過去11試合、6試合で10得点以上。チームは激戦区のア・リーグ東地区で首位ブルージェイズまで5.5ゲーム差の4位だ。ワイルドカード圏内には、ゲーム差なしだが、勝率がマリナーズに1厘およばず4位につける。

「こうしてきょう試合に出られて(無事に)終わり、本当にいい形でスタート切れましたけど(シーズンの)最後にいい形で終われればなと思います」

吉田は完全復活を遂げ、残りのシーズンで全力を尽くす。