ロサンゼルス・エンゼルスのマイク・トラウトが金曜日に10日間の負傷者リスト(IL)から復帰し、敵地クリーブランドでのシリーズ初戦に「5番・DH」として先発に名を連ねた。4月30日のマリナーズ戦以来1カ月ぶりとなる。なお、外野手のマシュー・ルーゴが29日にマイナー3Aソルトレイクへ降格した。
「マイクはチーム、クラブハウスだけでなく、この球団そのものの心臓だ。象徴が帰ってくるのは心強いし、チームの助けになってくれるよ」と捕手のローガン・オハピーもその信頼を口にする。
ロン・ワシントン監督は、トラウトを月曜日のレッドソックス戦で復帰させる予定だったが、痛みが十分に和らいだことで、ガーディアンズ戦での出場を決断した。
「骨挫傷は厄介なんだ。痛みが残るのは分かっているよ」と、26試合を欠場した主砲は語る。
「全力でプレーするタイプだからこそ難しいけど、やっぱり慎重にならなきゃいけない。それでも練習を終えて、体の感触は良かったし、正直うずうずしてたんだ。だから今日、ラインナップに戻れたことが本当に嬉しいよ」
IL入りした時点で打率.179、OPS.726と打撃は不調だったが、29試合で9本塁打を記録していた。4月30日、シアトルのT−モバイル・パークで一塁を踏んだ際に手術歴のある左膝を痛めた。
直前の27日には軽くベースランを行い、28日には実戦形式で打席に立つまで回復。過去26試合を欠場していたが、復帰に必要な条件はすべてクリアしたようだ。
「彼自身が『いける』と感じているからこそ出場させる」と、ワシントン監督はコメント。「このままシーズンを通して本来の彼の姿を見せてくれるかもしれない。しかし、仮にそうでなくてもがっかりしないでほしい。私も彼も、そうなると信じているが、実際どうなるかは見てみないと分からない」
監督が設けた唯一の制限は盗塁禁止のみ。また一方で、「走塁では本能を活かしてもっと積極的に走ってほしい」と指示し、復帰戦では一時的に打順を通常より2つ下げた。
トラウト自身も、2カ月間守備練習をしていないことから、外野守備への復帰を遅らせ、当面は指名打者として出場する意向を示した。
「調子が戻ったら、またライトに戻るつもりだ」と語るトラウトは、今季ここまでDHとしては打率.286、ライト守備時には打率.141と、打撃成績に大きな差が出ている。本調子ではないものの、「スイングの感触は良くなっている。ライブBPでも良い感触だった」と前向きに語った。
トラウトが復帰すれば、エンゼルスにとっては大きな戦力となる。チームは8連勝で勝率5割に復帰した後に5連敗中でショートのザック・ネトやオハピーが主軸を務める打線にトラウトという強打者が帰ってくる。
ロサンゼルスは29日時点で25勝30敗、ア・リーグ西地区で4位につけている。