ナショナルズのマイルズ・マイコラス投手が8月6日、メジャーリーグでのサービスタイム10年に到達した。クラブハウスでは10年到達を祝うセレモニーが行われ、本人が希望した特製のベルトバックルがチームから贈られた。
マイコラスは2012年5月にメジャーへ昇格。2015年から2017年まで巨人でプレーし、2017年に14勝を挙げ、2018年にMLBへ復帰。カージナルスでは先発ローテーションの中心として活躍し、オールスターにも選出された(2018、22年)。その後もメジャーでキャリアを重ね、今回サービスタイム10年に到達した。
サービスタイム(実働年数)は、メジャーのロースターなどに登録された日数を積み上げ、172日で1年として計算される。単純に「プロ入りから10年」という意味ではなく、メジャーで一定期間プレーしてきたことを示す数字だ。
この「10年」という数字は、メジャーリーグでは特別な意味を持つ。
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メジャーに到達した選手の平均的なキャリアは約5.6年とされており、10年はそのほぼ倍にあたる。
選手会はサービスタイム10年を「Holy Grail(聖杯)」と表現している。歴代のMLB経験者で10年に到達できる選手は10%未満とされ、本当に限られた選手しか達成できない節目だ。10年の間には、負傷や不振、マイナー降格、戦力外、トレードなどもある。平坦ではない道のりなだけに、喜びもひとしおだろう。
日本選手では、イチロー、野茂英雄、松井秀喜、大家友和、ダルビッシュ有がサービスタイム10年を達成している。(
サービスタイムの主な節目
- 1日:メジャーリーガー向けの医療・健康関連の福利厚生
- 43日:年金や福利厚生制度の一部について、受給・加入資格
- 2年以上(スーパー・ツー):一定の条件を満たす上位選手は「スーパー・ツー」に該当し、通常より1年多い4回の年俸調停資格を得る場合がある
- 3年:原則として年俸調停の資格を得る基準
- 6年:原則としてFA(フリーエージェント)になる資格
- 8年:「ゴールドカード」の対象となり、引退後もMLBの試合を生涯無料で観戦できる特典
- 10年:MLB選手年金の満額受給資格が確定
- 10年以上のサービスタイムに加えて同一球団で5年以上プレーしている選手には、「10&5権」が認められ、トレードを拒否権利(※「10年+同一球団5年」が条件)
上記が制度上の「ハード面」だとすれば、サービスタイムの長い選手には、日々の待遇にもさまざまな「ソフト面」のメリットがある。マッサージなどの治療を優先的に受けられるほか、クラブハウスでのロッカーや遠征時の飛行機の座席などを選ぶ際にも、ベテランが優先されるケースがある。
10年到達時の記念品は、リーグ全体で統一されているわけではなく、球団やチームメート、家族などが、それぞれの選手に合わせてお祝いする。
チームが「サプライズ」を仕掛けることも多く、過去には、10年を記念してロッカーを「10」のバルーンや金色の装飾で祝福された選手もいる。
ちなみにマイコラスは、サービスタイム10年の節目を迎える前日の試合で、延長戦に犠牲バントを成功させ、貴重な打点を記録するという珍しい活躍も見せた。