オールスター休暇が終わり、8月3日のトレード・デッドラインへ向けた動きが加速している。
ジャッジ離脱の影響に苦しむヤンキース、ナショナルズの注目株の打者ルイス・ガルシアJr.を巡る争奪戦、復帰間近のメッツ右腕クレイ・ホルムズ、そして投手補強を狙うカブスなど、各球団の思惑が交錯し始めた。
ジャッジ不在のヤンキース、補強ポイントは捕手か
ヤンキースはアーロン・ジャッジの復帰を待ちながら、打線強化の道を探っている。
球宴期間中に行われた右肋骨の再検査では回復が確認されたものの、野球活動再開の許可が出るまでには至らなかった。最後の出場は5月31日だが、ジャッジ本人は今季中の復帰に自信を示している。
しかし、主砲不在の影響は大きい。ジャッジ離脱後のヤンキースは1試合平均4.16得点で、メジャー全体でも下位に沈んでいる。
17日(日本時間18日)のドジャース戦でも1-2で敗れ、改めて打線補強の必要性が浮き彫りになった。
補強候補として有力視されているのが捕手だ。ブライアン・キャッシュマンGMも現在の捕手陣について「問題」と認めており、今季の捕手陣のOPSは.519。ホワイトソックスと並びメジャー最低となっている。
一方で、遊撃手の補強を優先する可能性は低い。MLBネットワークのジョン・ヘイマン記者によると、アンソニー・ボルピーとホセ・カバジェロで対応している現状から、大きな動きは考えにくいという。
メッツのフランシスコ・リンドーアの名前も取り沙汰されているが、メッツが5度のオールスター選出を誇る遊撃手を放出する可能性は低く、ヤンキース移籍の現実味は薄い。
ナショナルズの新星ガルシアJr.に複数球団が関心
今季のナショナルズを支える存在が、ルイス・ガルシアJr.だ。ナショナルズはナ・リーグのワイルドカード争いに食い込む好調ぶりを見せているが、その中心打者に複数球団が関心を示している。
26歳のガルシアは今季、打率.284、20本塁打、OPS.871を記録。OPS+は136で、リーグ平均を36%上回る打撃成績を残している。特に右投手への強さが際立ち、右腕相手にはOPS.909をマーク。左打者ながら長打力を備えた貴重な存在となっている。
昨季は二塁守備で苦戦したものの、今季から一塁へ転向。守備面でも安定感を取り戻している。
ナショナルズはガルシアを高く評価しており、球団保有権もあと1年残しているため積極的に放出する理由はない。ただ、今年の市場には実績ある打者が少なく、もし動けば大きな見返りを得られる可能性がある。
メッツの切り札ホームズ、復帰へ前進
売り手に回る可能性があるメッツにとって、クレイ・ホームズは大きなトレード候補だ。
右腕は5月中旬に右腓骨骨折で離脱していたが、ハイAブルックリンでリハビリ登板を開始する予定。メジャー復帰へ向けて前進している。
今季は9先発で防御率2.39を記録。メッツ加入後は42試合(40先発)で防御率3.26と安定した投球を続け、リリーフから先発への転向にも成功した。
一方で、メッツが必ずしも放出に動くとは限らない。ホームズは今季終了後にFAとなる可能性があるが、球団は契約延長も視野に入れている。
投手不足のカブス、補強へ本腰
カブスの補強ポイントは明確で「投手補強」だ。
「投手はいくらいても足りない」
球団編成本部長のジェド・ホイヤー氏は、トレード期限に向けた方針をこう説明した。
カブスではエドワード・カブレラ、ベン・ブラウンら故障者の復帰が近づいているものの、補強の必要性は変わらない。先発陣の防御率は4.52でメジャー8番目に悪く、ブルペンでも開幕時クローザーのダニエル・パレンシアが右前腕屈筋の故障から復帰できていない。
首位ブルワーズを追うカブスにとって、デッドラインまでの最大のテーマは投手陣の立て直しになりそうだ。