選手OB会、引退後をサポートするイベント開催

November 24th, 2025

現役を終えた元選手が、目的やアイデンティティを失ったと感じることは珍しくない。

この空白を埋めるため、MLB選手OB会(Major League Baseball Players Alumni Association)は毎年「キャリア・デベロップメント・サミット」を開き、元選手や引退が近い現役選手を招いてネットワーキングや幅広いテーマのパネルに参加してもらい、引退後にも人生があることを示している。

今年のサミットは11月21〜23日にテキサス州で開催された。

元メジャーリーガーのスコット・スピージオは22日、次のように語った。

「本当に素晴らしい取り組みだ。現役を離れる人、最近引退した人、これから引退を考えている人にとって、こういうことはなかなか考えないからだ。自分も『20年はプレーを続ける』としか思っていなかったのに、気がつけば突然終わってしまう」

MLBPAA president Jim Thome addresses attendees. (Photo courtesy MLBPAA)

イベントでは「移行期のメンタル面」などのパネルが行われ、スコット・スピージオと元メジャーのJPアレンシビア、トラビス・スナイダーが引退後に直面した苦労を率直に語った。「野球後の起業」というパネルでは、元選手が競争心をどのように生かして引退後のビジネス機会につなげたかが議論された。

2018年から禁酒を続けるスピージオは、依存症との闘いについても隠さず語った。メッセージは競技を超える重みがあった。

「自分の目的はプレーすることよりも、人を助け、前向きな影響を与えることにある」と語った。

登壇者の多くは元選手で、参加者とのつながりをいっそう深めた。会期中、多くの登壇者が自分の電話番号を共有し、参加者に遠慮なく連絡するよう促した。

「これはブラザーフッド(同志)だ。どこにいようと関係ない。『メジャーリーグでプレーした』と聞けば、その瞬間につながる」と「野球後の起業」の登壇者ダニエル・マカッチェンは語った。

Photo courtesy MLBPAA

最も人気を集めたパネルのひとつは「Broadcasting 101」だった。アル・ライター、ボブ・スカンラン、ベンジー・モリーナ、ピーター・モイランが登壇し、放送の世界に入った経緯やメディア業界での立ち回り方を語った。ライターは放送に挑戦したい出席者に向けて「失敗を恐れるな」とも呼びかけた。

「ここに来て、自分たちの経験を、まさに今その過程にいる人たちに共有できるのは大きい。『大丈夫、野球の後にも第2の人生がある』と言えるのだから」とスカンランは語った。

MLBネットワーク・ラジオのマイク・フェリンが進行した「MLB Network Radio Hits」では、アナリストの仕事を体験。参加者はABS(自動ボール・ストライク判定)について意見を述べ、パフォーマンスの講評を受けた。

このサミットでは、プロ仕様の宣材写真撮影や模擬面接の練習も用意された。

サミットは選手を主な対象としているが、配偶者向けの参加機会も設けられ、「Women in Business(女性とビジネス)」や「Navigating Marriage & Transition from the Game(結婚と現役引退後の移行への向き合い方)」といったイベントが行われた。

「家族の取り込みを以前より進めている。それは極めて重要だと思う」とスカンランは話した。