ベッツ、現役で唯一のWS4度制覇

November 3rd, 2025

遠目には冷静に見えたムーキー・ベッツは、2025年のワールドシリーズ(WS)最終戦で最後の打球が自分の方へ転がってきた瞬間、胸の奥でわずかな緊張を感じていた。

延長11回表、ウィル・スミスの勝ち越し本塁打でドジャースがこの試合で初めてリードを奪うと、がけっぷちに立たされたブルージェイズは直後の攻撃で1死一、三塁のチャンスを作った。

打席のアレハンドロ・カークが山本由伸(27)の0−2からの球を二塁ベースの左へゴロを打った。ベッツは神経を落ち着かせ、あとは日々の準備を信じた。打球を処理し、二塁ベースを踏んでから一塁へ送球。ダブルプレーで試合終了。ドジャースは5−4で第7戦を制し、2年連続のワールドシリーズ制覇を決めた。

「山本が投げる瞬間、自分に言い聞かせていた」とベッツはFOXのインタビューで語った。

「“強気でいけ、動け、プレーしろ。強気で、強気で、強気で”ってね。打球が自分のところに来て、あとは体が自然に動いた。何が起きたのか正直よく分からない。ただ、積み重ねてきたすべての努力が、今季こうして実を結んだ」

ベッツは現役選手で唯一のワールドシリーズ4度制覇者となり、1969年に地区制が導入されて以降では史上18人目の快挙となった。今シリーズでは打撃で苦しんだが、遊撃守備は終始安定していた。今季が本格的にショートへ転向して初めてのシーズンでゴールドグラブ賞の最終候補にも名を連ねていた。

ドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長は語った。

「彼があそこで取り組んできた仕事、そして打撃で苦しい時期でもショートで非常に良いプレーを続けていたこと。あの水準の遊撃守備をこなしている点は、十分に評価されていないと思う」

チャンピオンリングに加え、ベッツは現役で最も実績のある選手の一人でもある。MVP、シルバースラッガー賞7回、右翼でのゴールドグラブ賞6回を誇る。33歳となった今季、レギュラーシーズンの前半では打撃不振に苦しんだものの、遊撃守備での進歩に手応えを感じていた。結果としてその守備はリーグ屈指の水準にまで到達した。

ベッツにもドジャースにも、もはやその証明は不要だ。チームはベッツがゴールドグラブ賞に値すると考えているが、少なくともベッツは新たなポジションで再びWS制覇を決める最後の打球を任された誇りを胸に刻むことになった。

「最後のダブルプレーで締めくくったのは、彼が今季ショートで成し遂げた素晴らしいシーズンにふさわしい締め方だった」とフリードマン編成本部長は語った。