ホワイトソックスの村上宗隆(26)は5月29日のタイガース戦で右太ももを痛め、同30日から負傷者リスト(IL)に入って以来、約2週間ぶりのメディア対応だった。
6月1日にPRP注射(自己治癒を高めるとされる治療)を受け、2日からのミネソタとフィラデルフィア遠征には帯同せず、シカゴに残留。回復とリハビリに努めていた。
3連戦の相手は、ワールドシリーズ連覇中のドジャース。大谷翔平(31)、山本由伸(27)、佐々木朗希(24)ら侍ジャパンでもチームメートだった選手が在籍。村上のコメントを求め、各メディアから取材対応へのリクエストが球団広報に届いたようだ。
午後3時から開始の案内だったが、村上は芝生フィールドでステップやランニングなどのリハビリメニューを金具のスパイクを履いて行い、結局、三塁側ダッグアウト内に設定されたカメラとマイクの前に登場した時刻は午後4時半。治療とリハビリに伴うトレーニングが、立て込んでいるためだった。
日本メディアとの応答では、ユーモアある応答があった。
フィールドで行ったランニングなどの動きは、今日が初めてですか?
「昨日です。みなさん(取材に)来られていないので(笑)」
スパイクをはいたのはいつからですか?
「昨日です、はい。みなさん来られていないので(笑)」
同じコメント2連発。
ドジャース戦前の3連戦を不在にしていた日本メディアをチクリとしつつ、いたずらっぽく笑った。
軽口が自然と出ることは、順調な証だ(きっとそのハズ)。
村上は20本塁打を放つなど長打力を発揮し、新戦力ながら好調なチームを引っ張る象徴的な存在となっていた。その中でチームは主砲の離脱以降も、6月とはいえ、ア・リーグ中地区で首位に立っている。
村上離脱前は57試合でチーム打率.237、1試合の平均得点4.67点。村上離脱後は、まだ11試合ながら、チーム打率.272、同5.45得点で攻撃力は上がっている。比較の試合数に違いはあるが、打線が機能している証の一つだ。メジャーデビューしたジェイコブ・ゴンザレス(24=2023年ドラフト1巡目、全体15位)が打率.267、OPS.738と活躍。2024年のドラフト1位、全体12位のブレーデン・モンゴメリー(23)はまだ出場3試合ながら、初本塁打をサヨナラ2ランで飾るなど打率.333、OPS1.135をマークしている。4月にデビューしたサム・アントナッチ(23)は打率.284、OPS.760、9盗塁。5月からは、主に1番打者を務めている。
村上は貢献できない状況に、心中はもどかしく、落ち込む感情があるかもしれない。しかし、IL入り前に負傷で試合に出られない選手たちが、明るく振る舞い、仲間を盛り上げ、フィールド外から貢献する姿をみていた。そして、その献身に感謝していた。だからこそ、ベンチから戦況を見ながら声を出し、味方を鼓舞する。試合への準備と同様に真摯にリハビリに向き合っている。回復が進み、運動強度が上がる姿をチームに見せることが、ともに戦うメッセージだ。
「僕は(トレーナーの指示に)任せてというか、焦って(さらにリハビリメニューを)やりたい、やりたい、といってもやらせてくれないのがチームの現状なので、そこはしっかりトレーナーさんに従う」
はやる気持ちを抑え、慎重を期す。復帰した際には、再発しないようにシーズン最後まで貢献する。“やらないこと”もまた、リハビリで重要だ。後半戦にメジャー復帰し、地区優勝争い、ポストシーズン進出争いでチームのために戦う。悔しい気持ち、焦る思いをこらえ、地道なリハビリを続ける。
