異国の文化、新しい環境、初対戦の投手たち。メジャー1年目は誰しも、適応に戸惑い、時間がかかる。日本での実績があっても、本来の実力を発揮するまでには時間がかかる。それは、過去の日本選手たちが証明してきた。
もちろん、ホワイトソックスの村上宗隆(26)も同じだ。
「まだまだ課題もたくさんありますし、もっともっと成長しなきゃいけない部分もたくさんある。本当に毎日いい刺激でプレーできてるのはすごく僕にとってうれしいです」
新人にもかかわらず、すでにリーダーシップを発揮している。自然と備わる才能なのかもしれない。遠征地のサンディエゴでオフだった4月30日、村上は投手と野手の隔たりなく、6選手を寿司ディナーに誘った。
「(ホテルの)ロビーでたまたま選手と会って、きょう夜どこ行くの?って。一緒に行こうぜってなって、行こうよっていきました」
サンディエゴで有名な名店。急な予約だったが、店側は融通して総勢8名の席を用意した。八木通訳がいるものの、言葉の壁があっても積極的に溶け込み、仲間の心をつかむ。長打力や選球眼ばかりではなく、村上は球場外でもチームワークの向上に貢献している。ちなみに高額な会計は、全額村上が支払った。メジャー1年目、ホワイトソックス加入1年目も村上には関係ない。自分が誘い、臨時の決起集会を開催。〝主催者〟として、気前よくごちそうした。
自らは二回にメジャー単独トップの13号3ランを打った。五回には〝寿司メンバー〟の1人、モンゴメリーが9号ソロ。ベンチでは、2人がお互いに寿司を食べさせ合うホームラン・セレブレーションで喜びを分かち合った。
「村上が近づいてきて、『これをやるぞ』と言いました。僕は『わかった、やろう』と答えました」とモンゴメリー。村上も「きのう一緒にお寿司食べに行ったんで、こうしてきょうその効果か分からないんですけど、打てたんで、寿司ポーズしようかな、って」と笑った。
楽しく、明るく、いい空気に満ちている。ホワイトソックスは若手選手の成長とともに手応えがある。そして、村上が加わった。
「まだまだ成長する部分もたくさんありますし、課題も見えてくる。長いシーズン、長い野球人生なんで、プラスにしていきたい」
野球に取り組む真摯な姿勢、毎日の変わらぬ準備、リーダーの資質、人柄。もはや3年連続100敗以上したチームではない。「MUNE」の加入は、生まれ変わり、強くなるチームの再建を加速させている。
