シーズンも終盤に入った。新人王争いもいよいよ佳境を迎え、ア・リーグ、ナ・リーグともに有力候補がしのぎを削っている。打撃で圧倒的な数字を残す選手がいれば、守備や走塁を含めた総合力で存在感を示す選手もいる。果たして今季の新人王にふさわしいのは誰か。3人の記者が、それぞれの視点から注目の新人を選んだ。
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J.J.ウェザーホルト(23歳、カージナルス)
攻守両面で高い貢献度を見せるJ.J.ウェザーホルトを候補に挙げたい。打撃ではサル・スチュワートに大きく水をあけられている。スチュワートが打率.268、31本塁打、105打点、OPS.830を記録する一方、ウェザーホルトは打率.242、17本塁打、48打点、OPS.713。それでも、二塁を中心とした守備ではOAA+22を記録し、MLB全体でも3位の高い数字を残している。
総合的な貢献度を示すbWARでも4.6を記録し、スチュワートの2.2を大きく上回る。攻撃だけでなく守備でも勝利に貢献している点が強みだ。
ただし、8月30日に右手首の腱炎で10日間のIL入り。離脱期間が長引けば、スチュワートらに逆転を許す可能性もある。それでも、守備力を含めた総合力は際立っている。(山田結軌)
サル・スチュワート(22歳、レッズ、一塁手)
当初は、特に守備で抜群の存在感を見せるJJ・ウェザーホルトを推すつもりだった。しかし、勝負の9月を前に右手首の腱炎でIL入り。「推し変」を余儀なくされたが、サル・スチュワートも最高峰の輝きを放つ新人の1人だ。
マイク・ペトリエロ記者が分析したように、新人王争いは四つ巴の大接戦。もちろん決着はこれからだ。それでもスチュワートは、すでに31本塁打、リーグトップの105打点の大台に到達。レッズの新人では史上初の快挙で、新人王創設以降、この数字を記録した14人のうち9人が同賞を受賞している。
打球ひとつで試合を動かし、数字で歴史を刻む豪快さは格別だ。ここからの1カ月でも、さらに数字を積み上げる期待感は十分。最後まで目が離せない。その一振りが、新人王争いの行方を決めるかもしれない。(居城弘直)
カーソン・ベンジ(23歳、メッツ・外野手)
現時点で本命はサル・スチュワート、2番手がJ.J.ウェザーホルトだが、8月に入って急浮上したベンジにも注目したい。8月は28試合で38安打、OPS.952と大爆発。シーズン成績も16本塁打、54打点、19盗塁まで伸ばし、打撃だけでなく走塁、守備でも存在感を示している。8月24日時点では、新人最多の9補殺を記録するなど、攻守両面でチームに貢献している。
9月1日時点ではスチュワートに大きく先行されているものの、ここ1カ月の勢いは新人の中でもトップクラス。スチュワートが本塁打30本、打点100を突破する圧倒的なシーズンを送っているだけに、逆転にはさらなる上積みが必要だ。 それでも、残り1カ月でベンジが打撃をさらに加速させ、攻守でインパクトを残せば、最後に評価をひっくり返す可能性は十分にある。(及川彩子)
