【ヤンキース3-5オリオールズ】ニューヨーク/ヤンキースタジアム
ヤンキースの菅野智之は中5日で15度目の先発に臨み、3回2/3で89球を投げ、7安打3失点で防御率は3.55になった。前々回のブレーブス戦、前回のエンゼルス戦に続き、五回もたずに降板。チームは3-5で勝利し、菅野に勝敗はつかなかった。
今季15度の登板のうち、5イニング以上投げたのは10試合、5月9日のエンゼルス戦では八回まで投げているが、直近の3戦は早いイニングで球数が増える苦しい登板が続いている。
「プロに入って200試合以上登板しているが、立ち上がりはやっぱり難しい」
初回、先頭ゴールドシュミットにファールで9球粘られて四球を与えると、続くグリシャムにもストレートで四球を与え、いきなり無死一、二塁のピンチを迎えると、主砲ジャッジに内角低めシンカーをセンター前に運ばれ満塁に。4番チザムJr.のレフト前タイムリー、ドミンゲスのセンターへの犠飛で2点を許し、初回だけで32球を投じた。
二回も無死で走者を許したものの、後続打者をきっちり仕留めて無失点。しかし三回先頭のジャッジに甘く入った真ん中高め93.5マイル(150.5キロ)を右翼席に運ばれて3点目を与えた。
四回に先頭のラメイヒューに右翼線に二塁打を許した後、中飛、右飛で簡単に2死をとったが、次のジャッジは申告敬遠。菅野は次打者に向かおうとしたが、ベンチから投手コーチ、かなり遅れて監督代行が慌てた様子でマウンドに向かい、そこで降板に。右腕は複雑そうな表情でベンチに下がった。
「ジャッジを歩かせて、次のジャズ(チザム)でどんな球で勝負するかも予めコーチたちと話していたので、さっきの話はなんだったんだと思った。屈辱的だったが、今日の投球内容だとしょうがないと思うし、受け入れなきゃいけない」と言葉を紡いだ。
前回のエンゼルス戦では57.5%だったストライク率が今回は63%まで上昇。一方で、「(ヤンキース打線は)低めのスプリットは絶対振らないぞっていう意思は見えた」と話すように、ヤンキースは明確な「菅野対策」をしてきた。スイーパー、シンカー、速球を軸に攻めたが、89球のうち23球をファールにされるなど球数がかさみ、早いイニングでの交代となった。
数字だけを見ると課題が多く見えるが、技術的な部分で微調整を行なっている最中で、「大量失点してもおかしくないような内容の中で要所で三振も取れたことは評価してもいいと思う。立ち上がりのところだけ」と本人には悲壮感はない。
開幕から不振だったチームは、ケガから復帰した先発勢が戻り、打線も調子を上げ、直近10試合は7勝3敗をマーク。
「チームが求めていた結果を出せてきている。自分はここ数試合、ブルペンに迷惑をかけているので、次こそ長いイニング投げられるようにしたい」と前向きに締めくくった。