レイズはフロリダ州ジャクソンビルの開発業者パトリック・ザルプスキ氏率いる投資グループと球団の売却に関して独占交渉に入ったと正式発表した。
球団は「パトリック・ザルプスキ氏、ビル・コスグローブ氏、ケン・バビー氏、ならびにタンパベイ地域の著名な投資家たちによるグループと、球団売却に関する独占的な協議を開始した」という声明したが、現時点で正式契約には至っていない。
米スポーティコの報道によると、ザルプスキ氏らはレイズ買収の意思を示す「意向表明書(Letter of Intent)」に署名しており、球団評価額は約17億ドル(約2,463億円)とされている。この取引が成立すれば、昨年オリオールズを17.25億ドルで購入したデビッド・ルーベンスタイン氏に次ぐMLB球団売却例となる。
スタンバーグ体制とは
現オーナーのスチュアート・スタンバーグ氏は、2004年に初代オーナーのヴィンス・ナイモリ氏から球団を買収。2005年に球団運営の指揮を取り、2008年には球団名を「デビルレイズ」から「レイズ」に変更。その後、ドジャース、ヤンキースに次ぐ勝率(.545)を記録し、名門に成長させた。
しかし地元タンパベイ地域での新球場建設問題は長年の課題であり、今年3月にはトロピカーナ・フィールド跡地の再開発計画を断念。MLBも「レイズのタンパベイ地域での恒久的な本拠地確保を引き続き支援する」とコメントしていた。
今季は、ハリケーン・ミルトンによる被害でトロピカーナ・フィールドが使用できず、ヤンキースの春季キャンプ地であるジョージ・M・スタインブレナー・フィールドでシーズンを戦っている。来季のトロピカーナ復帰を目指すとしている。
新オーナーの顔ぶれは
新オーナー候補として、パトリック・ザルプスキ氏(住宅建設企業「Dream Finders Homes」創業者兼CEO。フロリダ大学の理事)、ビル・コスグローブ氏(Union Home MortgageのCEO)、そして3Aジャクソンビル、2Aアクロンのオーナーも務めるケン・バビー氏(Fast Forward Sports Groupの創設者)が名を連ねる。
交渉の進展次第では、レイズの経営体制は大きく変わる可能性がある。球団の未来、そしてファンの夢を乗せた「新章」が始まるのか、今後の動向に注目が集まる。
