移籍市場ではサンクスギビング(感謝祭)の休日を迎える前に、いくつかの大きな動きがあった。25日(日本時間26日)、レッドソックスはカージナルスとのトレードを成立させ、通算125勝のベテラン右腕ソニー・グレイを獲得。その翌日にはブルージェイズがフリーエージェント(FA)の右腕ディラン・シースと7年契約で合意し、先発ローテーションを強化した。
好投手を手に入れた両チームだが、もちろん今オフの補強はこれで終わりではない。両チームともFA市場においてトップクラスの大物選手の獲得を狙っていることが明らかになっている。
レッドソックスは今オフの2大目標のうち、グレイ獲得により「先発2番手の確保」という1つ目をクリアした。残る目標は「強打者の獲得」で、FAとなったアレックス・ブレグマンの再契約を目指している。一方で、ブレグマンの流出に備えた動きも始めており、「ニューヨーク・ポスト」のジョン・ヘイマンによると、レッドソックスはブレグマンのほか、カイル・シュワーバー、ピート・アロンソ、J・T・リアルミュート、岡本和真らにに関心を示しており、5人のうち2人の獲得を目標としているという。
レッドソックスは現有戦力でラインナップを組むと、一塁(トリストン・カサス)、三塁(マルセロ・マイヤー)、指名打者(吉田正尚)がいずれも左打者となるため、岡本はチームにフィットする右打者として有力だ。ブレグマンの引き留めに失敗した場合は、右打者のアロンソや岡本の優先度が高まる可能性がある。
ブルージェイズは先発ローテーションの補強を終え、ブルペンや打線の強化に注力していく可能性が高い。FA市場最大の大物であるカイル・タッカーの獲得も噂されるが、MLB.comのマーク・フェインサンドによると、あくまでも最優先はボー・ビシェットとの再契約のようだ。ビシェット自身も愛着のあるチームへの残留を強く希望しており、ブルージェイズが提示する条件次第ではスムーズに残留が決まる可能性もある。
また、ブルペンに関しては試合終盤を任せられる大物リリーバーの獲得を検討しているようだ。ヘイマンは「エドウィン・ディアスやロベルト・スアレスのような大物クローザーの獲得を真剣に狙う可能性がある」とリポート。今季は新加入のジェフ・ホフマンが33セーブを挙げながらも防御率4.37と安定感を欠いたため、1993年以来の頂点を目指すために、さらなるアップグレードを画策しているとみられる。