ポストシーズンの第6シードは侮れない存在である。過去のポストシーズンでは、下位シードのワイルドカードチームがしばしば番狂わせを起こしてきた。レッズは今季もその再現を狙い、連覇を狙うドジャースと対戦する。
レッズはシーズン終盤11試合中8勝を挙げ、土壇場でプレーオフ進出を果たした。
ギャビン・ラックスはこの数週間をこう振り返る。
「最後まで、生き残りをかけた戦いをしているような毎日だった。だから、ここ数週間はずっとプレーオフモードだった。毎試合、勝たなきゃいけないと思っていた。誰が勢いに乗るか次第で、プレーオフは何が起こるか分からない。どのチームにもチャンスはある」
ワイルドカード制度導入後、これまで16球団がワイルドカードからワールドシリーズに進出し、そのうち7球団が頂点に立った。レッズの投手ニック・マルティネスは、「一度プレーオフに入ってしまえば、あとはその一戦一戦がすべて」と語り、勢いが最大の武器となると自信をのぞかせる。
レッズはレギュラーシーズンを83勝79敗で終えたが、最後の11試合で8勝をあげてポストシーズン進出を決めた。一方、メッツは最終日に失速して自滅。
その終盤の快進撃の一部には、勝率メジャートップで、レッズ戦で13連続シリーズ勝利を飾っていたブルワーズ相手に最終3試合で記録した2勝も含まれる。
「カブス相手に4連勝、またトレード期限での補強の成果、すべてが見事だった。彼らが今、勝ち越していることも含めて、遅れて滑り込むチームというのはいつも勢いを持っているものだ」と、ブルワーズのパット・マーフィー監督も認めた。
ドジャース側もその脅威を認識しており、「若さと勢いが怖い。経験のないチームは波に乗ると一気に行く」とロバーツ監督は警戒を強める。
ポストシーズンの経験を知る人物と言えば、過去24シーズンで12度、チームをプレーオフに導いたレッズのテリー・フランコーナ監督だ。ボストンやクリーブランド時代も含め、さまざまな局面を乗り越えてきた。
「勝っても負けても、プレーオフはまた別の世界だ。あっという間に0勝3敗なんて状況にもなる。短期シリーズでは浮き沈みが一層早くやってくるから、焦りすぎず緊張感をもって臨みたい」と指揮官は述べた。
実際、一昨年のダイヤモンドバックス(6位)や、昨年のメッツ(5位)も、ギリギリで滑り込んだ勢いそのままに勝ち上がった実績がある。レッズは終盤、13試合で防御率2.54を記録し、投手陣が好調である点も心強い。
一方のドジャースも、終盤13試合で防御率3.01と盤石の仕上がり。経験と実力を兼ね備えたドジャースに対し、勢いに乗るレッズ。短期決戦ならではの、何が起こるか分からないシリーズとなりそうである。
