【コラム】西田陸浮、小技・スピード・内外野の守備でメジャー定着狙う

6:17 AM UTC

ニシダリクウってどんな人?

気のいい、大阪のにーちゃん。

もちろん、野球は超うまい。メジャーリーガーなのだから、当たり前だ。

ここでは、まだ取材歴は浅いが、私が感じた西田の人柄と今後の期待を記したい。

一生、思い出の残る一日になったに違いない。ホワイトソックスの西田陸浮(りくう、25)は2023年のドラフト11巡目(全体329位)で入団した。メジャーデビューを飾り、初ヒットあり、好守あり。記念の試合は、村上宗隆(26)の18号ソロもあり、3−1で勝利した。今季、ホワイトソックスはメジャーデビューした選手が西田で9人目。30球団で最多だ。西田への注目度、そして活躍は、3年連続100敗したチームが再建を進める一つの象徴的なシーンだ。

私は今春のキャンプで初めて西田と話した。メジャー練習時間で村上の取材が終わると、マイナーの西田の練習を追う日があった。

「初めまして!西田です!」

私が手を振り、合図を送ると勢いよく、元気よく挨拶をしてくれた。見た目は、いわゆる今風の若者。中身は、気さくで礼儀正しく、そして野球大好きな好青年だ。なにより、めっちゃしゃべる。大阪出身もあり、関西弁。どこか芸人のような話しぶり。物怖じしなく、弁が立つ。それが、私の第一印象だ。

西田は2月中旬時点から、アリゾナ州グレンデールのキャンプ施設に集合していた。実は、これが球団の期待の表れだ。通常、マイナーリーガーのキャンプインは3月に入ってから。メジャーキャンプに合わせて、マイナーのアーリー・キャンプに招集されることは、「メジャーが近い」という意味だ。オープン戦では、メジャー選手たちは2〜3打席で途中交代するため、その後に西田らマイナー選手のバックアップメンバーが試合の終盤を務める。ユニホームの背番号は、80番台の大きい数字。そして、メジャー選手や招待選手にはある背番号上のネームはない。

練習場所、クラブハウスもメジャーとマイナーは同施設内にあるが、格差はある。打撃ケージは、メジャー選手たちは屋根付きだが、マイナー選手用は屋根なし。アリゾナの強い日差しを浴びながら、西田は打撃マシンと向き合い、バットを振り続けた。

開幕前、ホワイトソックスの関係者から「3Aと2A、どっちに配属されたい?」と聞かれた。無論、この時点で球団側の答えは決まっていた。西田は「3A!」と返答。「違う。2Aでレギュラーとして試合に出続けて、結果を出せ。開幕から3Aにいっても、控えになるだけだ」と説かれた。そのやり取りがモチベーションになったのか、2Aバーミンガムでは11試合で打率.250、OPS.780、6盗塁をマークすると、昇格した3Aシャーロットでは、33試合で打率.347、OPS.849と数字を上げて一気にメジャーに駆け上がった。

投手の始動に合わせて、右足を挙げる打撃フォーム、俊足を生かしたセーフティーバント。内外野を守るルーティリティー能力。パワー自慢の世界で小技とスピードで勝負する。

華やかなメジャーデビューの陰には、戦力外になる選手がいることも事実。西田も、マイナーで仲間が去って行く姿をみてきた。契約上、西田は球団にとって、マイナーに落としやすい選手だ。長いシーズン、西田が好成績を残そうとも、負傷者リストに入っている実績あるメジャー契約の選手が復帰する際には入れ替え選手の対象になる。おそらく、マイナーとの昇降格が繰り返しあるだろう。だだ、ベナブル監督は「多くの出場機会を与えるつもり」とスタメンを含む起用を続ける方針を明かした。

自分の持ち味を発揮し、食らいつく。はじめは、マイナーと行き来するかもしれないが、きっとメジャー定着する。そう思わせてくれるガッツを感じる。もちろん、そこには私の願いもある。

プロ入り前「趣味」だった大好きな野球は、戦う「仕事」に変わった。

西田陸浮(りくう)、戦いの日々は始まったばかりだ。

<プロフィール>

西田陸浮(にしだ・りくう=Rikuu Nishida)

2001年5月6日、大阪府出身、25歳。身長5フィート6インチ(約168センチ)、体重150ポンド(約68キロ)。東北高校から米国へ渡り、マウントフッド・コミュニティカレッジを経てオレゴン大に進学。2023年ドラフト11巡目、全体329位でホワイトソックスから指名された。オレゴン大では2023年に67得点、25盗塁を記録し、いずれも同大のシーズン記録。既婚。