【ドジャース2x−1フィリーズ】ロサンゼルス/ドジャースタジアム、10月9日(日本時間10日)
ナ・リーグ地区シリーズ(NLDS=5回戦制)の第4戦が行われ、延長11回でドジャースが勝利し、リーグ優勝決定シリーズ(NLCS=7回戦制)進出を決めた。1 −1の八回から登板した佐々木朗希(23)が3イニングをパーフェクトに抑え、接戦での勝利に貢献した。
自信がみなぎっていた。最速100.7マイル(162キロ)。フィリーズ打線を完璧に封じた。1−1から勝ち越し点を与えず、劇的なサヨナラ勝利につなげた。仮に「地区シリーズMVP」の表彰があるとすれば、朗希が選ばれていたことだろう。
「今年は(レギュラーシーズンでは)全然貢献できなかった分、 今年残されたシーズンで自分のできることをチームに貢献したいと思っていた。そういった意味では今は少しですけど貢献できて良かった」
七回に1点を先行された直後。ドジャースは2死満塁からベッツが押し出し四球を選び、同点に追いついた。八回。勝負どころで23歳のルーキーがマウンドに向かった。ホームのファンは、来場者に配られたブルーのミニタオルを振りながら「ローキ!ローキ!」とエールを送った。2番シュワーバーから始まる上位打線をわずか8球で三者凡退に打ち取った。九回、延長十回も3人ずつで片付け、流れを引き寄せた。
「こうしたらいいパフォーマンスを出せるという技術的なところで信頼できるものが今はあるので、それが自分の心を落ち着かせてパフォーマンスを出せる要因」
投球フォームや感覚の迷いが消えた。今は、自分を信じて思い切り腕を振ることができる。主に直球とスプリット(フォーク)の2球種。「ストレートの強さとスピードとコントロールが、自分の中で良いラインまで来たので、(ストライク)ゾーンで勝負できるようになりました。その分、変化球もより生きてくると感じるようになりました」と確かな手応えを感じている。
メジャー1年目。4月中旬に右肩を痛め、負傷者リスト(IL)入りした。復帰は、8月下旬を目指したが9月24日までずれ込んだ。マイナーでは、メジャーの投手事情からリリーフ投手としての適正を探った。レギュラーシーズンで2試合(2回)、ポストシーズンでは4試合(5回1/3)を投げて、ここまで無失点、無四球。合計7回1/3を投げ、8三振を奪う無双を続けている。
もう一つの地区シリーズで戦うブルワーズとカブスの勝者と2年連続のワールドシリーズ進出をかけてNLCSで戦う。佐々木にはまだリリーフとして2日連続登板の経験はない。一方でキャリアを通じて先発投手としての経験があるからこそ、複数イニングをマネジメントできる能力がある。レギュラーシーズンでは不安定だった中継ぎ投手陣にとって、背番号11は救世主といっていい。
「健康でこの状態に戻ってこられたこと、サポートしてくれた人に感謝していますし、投球フォームについても球団といろいろ話しながら、自分のパフォーマンスが戻るまで一緒に頑張ってきてくれたスタッフに感謝したいです」
ワールドシリーズ連覇まであと8勝。次は、ナ・リーグのチャンピオンを目指し、朗希は重要な役割を担う。
