佐々木朗希(23)がポストシーズン期間では、守護神候補の最有力候補だ。
佐々木はフィリーズとの地区シリーズ第2戦、4-3の九回2死一、三塁でトレイ・ターナーをセカンドゴロに打ち取った。トミー・エドマンの一塁へのショートバウンド送球をフレディ・フリーマンが膝をついたまますくい上げて、最後のアウトを奪った。リリーフ投手陣が崩れかけていたドジャースだったが、これでナ・リーグ地区シリーズは2勝0敗。リーグ優勝決定シリーズ進出に王手をかけた。
佐々木が試合を締めたのは3試合連続でセーブは2試合連続。レギュラーシーズン最終週まで中継ぎデビューがなかった佐々木だが、このポストシーズンではドジャースで最重要の救援投手として存在感を高めている。
では、朗希はクローザーなのか。
「今は間違いなく最優先の選択肢だ」
デーブ・ロバーツ監督は第3戦の前日、7日(日本時間8日)に語った。
「段階的な積み上げが必要だし、まだ勝たなければならない試合数がある。彼が毎試合、最終回を投げるのは現実的ではない。だから他の投手も使わなければならない。ただ、状況が整えば、朗希が試合を締めることになる」
ロバーツ監督は当初、第2戦の九回は先頭から佐々木を起用することも考えた。だが、リードの状況や「3日間で2試合」の登板経験が乏しい点を踏まえ、最終的にはブレイク・トライネンにボールを託し、アレックス・ベシアをスタンバイさせた。オフ日を挟んでいるとはいえ、右肩の負傷から復帰後まだ5登板しかない右腕を酷使しないように指揮官は細心の注意を払っている。10月を勝ち進むためには、佐々木の負担が急に大きくなることは避けたかった。
ドジャースが地区シリーズで「本来の救援投手」が奪ったアウトは、合計でわずか3つにとどまっている。2020年と2024年のワールドシリーズ制覇時に酷使された一人であるブレイク・トライネンは、9月に9回1/3で自責点10を喫し、その不振はポストシーズンでも続いている。第2戦では無死のまま3安打、2失点。ロバーツ監督は「彼に本来の鋭さが見られなかった」と指摘した。
一方の佐々木は、ポストシーズン3登板で2回1/3を投げ、1安打、無失点と圧倒している。
理想を言えば、ロバーツ監督、いやどの監督でも同じだが、ポストシーズンを5人の投手だけで乗り切れるなら、迷わずそうするだろう。だが、現実には不可能だ。状況に応じて最適だと判断した場面で特定の投手を起用し、その結果を受け入れるしかない。
「バランスが大事なんだ。彼にとって、こういう起用法はこれまでにない経験だし、まだ数週間は戦いが続く。そのすべてを踏まえなきゃいけない。外から見ている人には、その難しさはなかなか分からないと思う」
ロバーツ監督は、佐々木の起用プランと中継ぎに適応する困難を語った。
佐々木自身は、現状の起用法に手応えを感じている。もしチームから求められれば「連投」にも対応できる自信があるという。登板間のオフ日には強度の高い投球練習を行い、投げ終わった後も状態は良好だったと話した。
ロバーツ監督は、連投させる前にもう少し安定的なリズムを築きたいと考えている。その際は、投手コーチのマーク・プライアー、ブルペンコーチのジョシュ・バード、アシスタント投手コーチのコナー・マギネスらと、キャッチボールの感触や身体の状態、休養十分な日のボールの切れとの違いなどを詳細に確認するという。
「これは全員にとって未知の領域だ。もし可能なら朗希に毎日投げてもらいたいくらいだけど、現実的ではない。繰り返し話し合いを重ね、その上で最終的な判断を下している」
ロバーツ監督は23歳右腕の才能を高く評価しながら、将来も見据える起用方法を考えている。