鮮烈デビュー!22歳のジョナ・トンがメジャーデビュー戦で白星

打線爆発のメッツは5本塁打、ホームで球団最多の19得点

August 30th, 2025

メッツ19-9マーリンズ】ニューヨーク/シティフィールド、8月29日(日本時間30日)

「夢のようだ」

22歳のルーキー、ジョナ・トンが五回を投げ切ると、4万人以上の観客がスタンディングオベーションで力投を称えた。デビューとなったマーリンズ戦で、トンは5回97球を投げ、6安打4失点(自責点4)、無四球、6三振で初勝利を挙げた。

トン自身はもちろん、決断を下したスターンズ編成本部長自身も「驚きだった」という異例の昇格劇。春季キャンプでは、トンはメジャーの試合でボールボーイを担当し、ダグアウトでメンドーサ監督に話しかけられた際、緊張して「ジョナです。こんにちは」と挨拶するのが精一杯だったという。

それから半年、トンはメジャーのマウンドに立っていた。

メンドーサ監督は試合前に「チーム全員がワクワクしているし、球団全体、特にスカウト部門にとっては記念になる日だろう」と興奮気味にまくし立てたが、右腕はその期待に応えた。

観客から大きな拍手を受けながら上がった初回。

先頭打者エドワーズへの初球は97.4マイル(156.7キロ)の直球。内角に外れたものの、得意のチェンジアップで中飛に抑え、2番マーシー、3番ラミレスもそれぞれ1球で左飛、一飛に仕留め、デビュー戦の初回をわずか6球で三者凡退に抑えた。

二、三回は先頭打者に出塁を許しながらも無失点で切り抜け、四回は再び三者凡退。平均153.5キロの直球を軸に、チェンジアップとカーブを織り交ぜ、空振りを奪った。

五回は球速が落ちた直球を狙われ、ジョンストンに左中間適時打、さらに野選や味方のエラーで追加点を許す。2死一、二塁からロペスにセンター前タイムリーを浴び合計4失点。「球数がかさんでいたので心配だったが、なんとか踏ん張ってくれた」とメンドーサ監督。最後はヒックスを三振に仕留め、5回を投げ切った。

「最後の球は、正直覚えていないくらいぼやけてた。自分の声も聞こえなかった。ダグアウトに戻る時は足の感覚がなかったし、監督に何か言われたけれど、ぼやけていて覚えていない」とトンは登板を振り返った。

ルーキーの好投を打線も援護した。

初回にフアン・ソトの2ラン、ブランドン・ニモの3ランで5点を取ると、二回は打者一巡の猛攻で7点を奪い、試合を決定づけた。守備では5回に2つのエラーで3失点(全て自責点なし)を許したが、余裕を持って乗り切った。

昨年まで無名の存在だったトンだが、球団内4位、全体でも44位の有望株と急成長した。今季はマイナーの2チームで防御率1.43をマーク。3Aのシラキュースでは2戦連続無失点のほか、三振数はマイナー全体トップを誇る。ドラフト7巡目で入団して以来、体づくりにも着手。25ポンド(約11キロ)の筋肉を増やし、夏場の長丁場にも耐える体を手にした。

試合終了の声を聞くと、チームメイトとハイタッチをし、喜びを分かち合った。

メンドーサ監督は6人制ローテーションを組むことを明言しており、トンは6日後には2度目のマウンドに上がる。「(次も投げられるのは)うれしい。きょうは全体的には満足しているけど、まだ改善すべきところもある。前に進むためにやるべきことはある。もっとシンプルにせめてもいい場面もあったし、これからしっかり修正したい」とルーキーは表情を引き締めた。