My Game, My MLB ー私にとってのMLBとはー
暑い夏の終わりと入れ替わるようにして、世界でいちばん熱い季節に突入した場所がある。それは、レギュラーシーズンが終わり、ポストシーズンが開幕したMLB。
「世界一」を目指すチームと選手たちが繰り広げるドラマのようなゲームの数々は、きっと今年も私たちの心を鷲掴みにする。
そんな今こそ、さまざまな人の熱いMLBへの思いを解き明かそう。
ゲスト:五十嵐亮太×山本萩子/前編
今回のゲストは、元MLB選手で現在は解説者・コメンテーターとして活躍する五十嵐亮太さんと、NHK BS『ワースポ×MLB』でキャスターを務めた経験を持つタレントの山本萩子さん。MLBとの出会いやその魅力、注目の球団や選手など、仕事を通じて深くMLBにかかわってきたお二人ならではの「My MLB」を語っていただいた。
Profile/五十嵐亮太(いがらし・りょうた)
1979年生まれ。千葉・敬愛学園高からドラフト2位で1998年にヤクルト入団。2004年に当時の日本最速タイ記録である158㌔をマーク。2010年シーズンからMLBニューヨーク・メッツに入団、5勝を挙げる。2012年からはピッツバーグ・パイレーツ、トロント・ブルージェイズ、ニューヨーク・ヤンキースとMLB球団を渡り歩き、日米通算906試合に登板。20年に引退後は解説やYouTubeなど幅広く活動中。
Profile/山本萩子(やまもと・しゅうこ)
1996年生まれ
日本テレビ系「ZIP!」など情報番組に出演。MLBを中心としたスポーツ情報番組「ワースポ×MLB」(NHK BS)の平日キャスターを2019年から5シーズン担当。日本プロ野球・MLBに精通し、今年の3月に東京ドームで開催された「MLB 東京シリーズ by グッゲンハイム」では中継のMCを担当するなど、スポーツキャスターとして活躍。
こんなにたくさんの日本人選手をポストシーズンでみられるのは幸せなこと
——まずお二人がMLBをみはじめたきっかけを教えてください。
(五)MLBを知るきっかけになったのは映画かな。(1989年公開の)『メジャーリーグ』をみて「何だこれは?面白いな!」って。あと僕はピッチャーをやっていたので、MLBのピッチャーへの憧れもありました。たとえばノーラン・ライアンとか、あの頃だったらペドロ・マルティネスやティム・リンスカム、ロジャー・クレメンスとかカート・シリング…やっぱり球の速いピッチャーが好きだったので、どうしたらあんな速い球が投げられるんだろうっていうのが、僕はきっかけのような気がします。
(山)私の場合は両親が野球好きで、家では(NPBの)スワローズ戦を中心に、MLBの試合も流れているという環境だったんですね。そこから五十嵐さんもそうですし、青木宣親さんがMLBに行ったり、スワローズからMLBに挑戦した選手を追うっていうので両親はみていたんですけど、私自身が本格的にみはじめたのは2019年に番組のキャスターに就任したことがきっかけです。そこからもう1日3試合、スコアをつけながらがっつりみるようになりました。
——それから今にいたるまでMLBをみていて、どんなところに魅力を感じますか。
(五)現役時代よりも今のほうがMLBの試合をみる回数って圧倒的に多いのですが、打つ、投げる、走る、守る、どれを取っても個々の能力が高いからみてて面白いなって思いますし、わかりやすい。あとは、これはMLBというよりアメリカ人の発想なのかなと思いますが、新しいものを生み出すということに関してすごく長けてるなって思うんですよ。
例えばベースを大きくするとか、ピッチクロックの導入もそうだし、何か変化を加えることでみているファンを飽きさせない。野球の本来の魅力を維持しつつ、新しいものを取り入れて、みている人に喜んでもらえるようなコンテンツを作り上げるっていうのが上手だなと思いますね。
(山)最初はパワーとかスピードとか、みていて圧倒されるっていうところにすごく衝撃を受けたんですけど、みればみるほどMLBってエンターテインメントの最高峰だなって。最近はそこが一番の魅力かなと思っています。もうスポーツの枠を超えているというか、世界最高のエンタメだと思うので、それをMLBにかかわる全ての人たちが本気で作ろうとしているところがすごく素敵だなと思うし、みていて燃えますよね。
——お二人とも実際に現地にも足を運ばれていますよね。
(五)僕はMLBに行く前、2009年のポストシーズンが最初ですね。エンゼルスタジアムのヤンキース戦で、目の前で松井秀喜さんをみたのがはじめてのMLB観戦でした。ポストシーズンってレギュラーシーズンとは球場の雰囲気ももちろん違うんですけど、流している音楽とかのボリュームも大きくなるんですよ。それくらい熱量があるから、演出もより強くなる感じがするので、もし現地に行く機会があったらあの熱を感じてもらいたいですね。
(山)私はレギュラーシーズンでもポストシーズンでもなく、2023年のオールスターゲーム(シアトル)が今のところ最初で最後です。シーズンとは全く違うものではあったんですけど、スタンドでみているとオールスターっていうお祭りだからか、試合をみていない人も普通にいて(笑)。もちろん1球たりとも見逃さないぞっていう人もいれば、全然関係なく、くつろいでいる人とかもいて、みんな自由な感じがすごく面白かったです。
——今シーズン、特に注目されていたチームや選手を教えてください。
(五)僕はやっぱりピッチャーを追っちゃいますね。日本から行った選手でいうと、今年は菅野智之選手(オリオールズ)。僕は10勝ぐらいすると思ってたんですよ。彼の魅力は、コントロールであったり、経験のあるベテランだからこそできるピッチングというところなので、そういうところがMLBでもしっかり証明されたというのはみていてうれしかったですね。
(山)私はこの球団とかこの選手みたいなものをあまりつくらずに、まんべんなくみていた感じですね。もちろんドジャースのことは耳にしたり、目にする機会が多かったのは事実ですけど、今シーズンは本当にまんべんなくみていました。
ただ、若手がどんどん育ってきているチームって面白いじゃないですか?今年でいうと伸びるというよりは種をまくシーズンだったと思うんですけど、ナショナルズなんかは開幕前から注目したいと思ってました。やっぱり数年後に強くなった時に、鼻を高くしたいじゃないですか(笑)。種をまいてた時を知ってるよって。
————菅野選手の話が出ましたが、日本人選手たちの活躍ぶりはどうご覧になっていますか?
(山)ポストシーズンにこれだけの日本人選手がっていうところもそうですけど、こんなにどの地区にも日本人選手がいて、毎日誰かしら出ていてみたいな環境って、私が記憶している中ではなかったですし、本当にすごいことですよね。ドジャースに関して言えば、MLBでもトップ3に入るような人気球団で日本人選手が中心となって活躍しているっていうのは、いまだにちょっと信じられないような気がします。当たり前のように活躍しているので、ちょっと感覚が麻痺しちゃってますけどね(笑)。
<後編へ続く>
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